【新唐人2015年07月20日】今年の上半期、安徽(あんき)省政府は71回訴えられましたが、敗訴したのは1回だけでした。これについてある弁護士は、中国で一般市民が裁判で官に勝つのは天に上ることよりも難しいと表現しました。この現状に、ネットユーザーもため息をついています。
7月10日、大陸メディアは、「安徽省政府は今年の上半期71回訴えられたが、これは昨年の同時期よりも30件多い」と伝えました。この71件のうち6割以上が土地収用に関係し、2割前後は政府の情報公開関連でした。報道によると、今年の上半期、再討議されている221件のうち、149件は現状維持で、撤回などで審査を終了した案件が32件、決定を却下したのは40件で、修正された案件は25%に達しました。
元弁護士 李一平さん
「ここ20~30年、官と業は結託し、庶民から略奪しています。人々の法律意識の高まりと共に、法律で解決しようとするケースがこれほど増えているのです」
米ワシントン人権弁護士 葉寧さん
「中国政府は利口になりました。圧力鍋の調圧バルブから、過度な圧力を逃せば、庶民に幻想を抱かせられると分かったのです。政府を訴えれば、職権乱用や人権迫害、財産の強奪など、あらゆる問題が解決できると庶民に思わせています」
今年の上半期、安徽省政府は71回訴えられましたが、敗訴したのは1回だけです。
庶民が勝訴するケースは71件のうち1件に過ぎないことについて、ネットユーザーからは批判が噴出しています。例えば、「庶民が勝訴したケースは、庶民を敗訴にするには、あまりにも筋が通らなかったためで、通常は、どれほど馬鹿げていても少しでも理由があれば、政府は敗訴しない」という意見もあります。
安徽省政府が敗訴した案件は、政府が安徽省の花火・爆竹企業すべてに撤退を要求したことに対し、それを不服とした24社が政府を訴えたケースです。訴訟代理人の弁護士は、「一審で勝訴したが控訴した、安徽省政府も控訴した」と述べました。
元弁護士 李一平さん
「このような全体主義体制下では、特権階級は必ず国家政権を利用して、民と利益を争います。この特権集団は中央政府から、省、さらに県や郷まで体系化され、中国人に取り付いて、巨大なヒルのように民衆の膏血を奪っています」
あるネットユーザーは、「ネズミを訴えても、裁判官の蛇はネズミとグルだから、裁判に勝てない」と述べています。
元弁護士 李一平さん
「中国の特権階級は当事者であり、裁判官でもあります。だから民が彼らを訴えても勝てないのです。たまに民が勝訴するのは、彼らが改心したからではなく、この体制はまだ健全だと、民に幻想を抱かせるためです」
大陸でかつて弁護士だった李一平(り いっぺい)さんは、中共の体制下で裁判によって自分の権利を守ろうとしても無理だと話します。
元弁護士 李一平さん
「最近の人権派弁護士、一斉逮捕で、中共の本性が明かされました。中共はすでに恥をかき捨てたのです。これで司法の道はすっかり塞がりました。もはや民は法廷という戦場で、権利を守れないので、残された道は街頭に出ることだけです」
李一平さんは、問題は民衆の法律意識が低いことではなく、中国の司法が虚構であることだと考えています。現在、平和的に権益を守ろうとする弁護士が次々と逮捕される中、不当な扱いを受けた一般市民は、今後どうすればよいのでしょうか?
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2015/07/16/a1210712.html(中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/水田 映像編集/李)