【新唐人2016年10月1日】
中国人が漢方薬の材料となるロバを世界中で爆買いしている。米CNNの報道によると、中国人のロバ買占めがアフリカ諸国に深刻な影響を与えているという。
CNNが9月29日に報道したところによると、機械生産の普及と伝統的な農作業の喪失により、中国ではロバの数が減少の一途にある。政府が発表した統計によれば、過去20年間で1100万頭いたロバは600万頭に減少し、年間30万頭が減少している。
ロバは漢方薬では滋養強壮や婦人病の特効薬として珍重されている。自国のロバが減少しロバ不足に陥っている中国は、アフリカ諸国からロバを輸入しているが、それにより環境汚染やインフレ誘発などさまざまな問題が発生している。
ロバ輸出大国であったニジェール共和国政府はこのほど、中国へのロバ輸出を禁止した。同政府によると、昨年輸出されたロバの数は8万頭で、2・7万頭だった2015年に比べ3倍も増加している。この「特需」によって、ロバ1頭の価格は従来の34ドルから145ドルへと跳ね上がった。国内の家畜販売業者はほかの動物を取り扱わなくなり、ロバの販売にだけ夢中になっているため、同国のロバが絶滅の危機に陥っていると政府は指摘している。
また、ブルキナファソも今年8月、同様の禁止令を出している。同国では、6カ月の間に140万頭のロバのうち4・5万頭が殺され、中国に輸出されている。
両国では、ロバの価格が高騰したことによって外貨収入ももたらされたが、経済成長には代償がつきものである。環境汚染やインフレなどさまざまな問題をもたらしたのだ。ブルキナファソの農民は、家畜を殺した時に出る血や内臓が飲み水を汚染していると話す。また、ロバの売買が急増したのに伴って、インフレが引き起こされているという。
中国マネーを狙って、他のアフリカ諸国でもロバ輸出が計画されており、ケニヤや南アフリカは、中国にロバを輸出するための整備を進めている。一方、ロバ売買の地下マーケットも出現している。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/10/01/a1289356.html(中国語)
(翻訳/白白)