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人民元下落の真の原因

2016年10月21日

【新唐人2016年10月21日】

趙培氏:人民元が9月末から7日間連続で下落しました。その後、上がったり下がったりしてはいるものの、もっともひどい時にはオフショア市場で対米ドルで6・74元も下落しました。人民元下落の原因は市場にあったのでしょうか? いいえ、そうではありません。人民元は自由に交換が可能な通貨ではなく、中国中央銀行と外貨管理局が基準相場を設定しているのです。ですから、今回の人民元下落は中国政府が主導して調整を行った結果なのです。

 

人民元が下落した時期にも注目しましょう。多くのメディアが、下落の原因は人民元のSDR(特別引出し権)入りにあると分析していますが、もう一つの点が見過ごされています。それは、9月末から中国政府が国内の不動産市場における購入規制を開始したことです。その狙いは、10月12日の当番組でも指摘したように、不動産所有者が物件売却で得た資金を海外に持ち出せないようにするためです。

 

中国政府は不動産投資ブームによって一般国民の金を不動産市場に流入させた後、人民元の為替レートを引き下げたのです。この時、国民が不動産を売却してドルに替えようと思っても遅いのです。このほか、ドイツ銀行や多くの日本企業の資金持出しを制限し、資金の流出を食い止めています。

 

中国中央銀行の目的は人民元プールを確立し、乱発行した人民元が国外や流通経路に流出するのを避けることです。この目的を達成するため、中国政府はまず株式市場に人民元プールを確立しようとしましたがうまくいかず、2015年に頓挫してしまいました。そして2016年、今度は不動産市場に人民元プールを確立しようと、周小川・中央銀行総裁がローン融資の規制緩和を実施したため、全国の不動産価格が急騰したのです。

 

国民は預金をつぎ込んで頭金を支払い、さらにローンを返済するために将来可能な収入も不動産市場に縛りつけられてしまったわけです。政府が乱発の人民元をどうするのかと聞きたい人がいますが、直接投資のほかに資金貸付という方法もあります。利率が5%なら返済能力は20万元ですが、中央銀行が利率を2・5%に下げたら、返済能力もまた増加するのではないか?と、多くの人が考えます。40万元とは言わないまでも、社会に流通する資金もまた確実に増加しているのです。

 

中国政府はこの資金を地方政府の債務の返済に充てたいと考えています。ですから、周小川総裁は融資規制強化に転換しました。そうすれば、不動産を購入する人は減り、損をして売却しようとする人もなく、現状維持するしかありません。人々の資金は不動産市場に据え置かれ、流通経路にも流れていかないので、物価を維持することができ、不動産以外のインフレを目立たないようにすることができるのです。国民には米ドルに換金する余剰な資金もないので、為替レートもコントロールできます。こうした状況において、中央銀行と外貨管理局が人民元のレートを下げたため、国民の資金は国内に縛りつけられてしまいました。一方、既得権益集団の資金はすでに国外に避難済です。民間企業も慌てて不動産を投げ売りしていますが、ちょっと遅れ気味です。すべては共産党の思惑通りなのです。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/10/20/a1292483.html(中国語)

(翻訳/白白 映像編集/李)

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