【新唐人日本2011年8月13日付ニュース】8月10日、中国当局は国務院常務会議を開き、浙江省温州の高速鉄道事故を受け、新規に建設する高速鉄道の最高速度を引き下げる方針を決定。高速鉄道の大躍進にブレーキがかかったように見えますが、専門家は体制の根本的な問題が解決されない限り、事故は再発すると指摘します。
盛光祖(せい こうそ)鉄道相は10日、設計上の最高速度を、350キロの路線は300キロに、250キロの路線は200キロに減速すると発表。これは中国の高速鉄道の1997年4月1日の開通から初めての減速になります。
“21世紀経済報道”の11日の報道によると、車両メーカーの“中国北車集団”は北京―上海間の高速列車CRH380BLの全ての車両をリコール。契約総額は200億元。同時に、運行便数も当初の一日88便から66便に減らすことになります。
近年、中国の高速鉄道は何度も速度を引き上げる一方で、建設期間はますます短縮。北京―上海間高速鉄道の建設は当初5年の予定でしが、実際には3年で完成。開通後1ヶ月未満で故障が続出。
北京理工大学の胡星闘(こ せいとう)教授は、中国のプロジェクトはほとんどが政治業績のためのものだと指摘。高官の鶴の一声と共に、下の関連部門のいわゆる実証が始まり、不可能なことはないのだといいます。
多くの地方ではGDP成長率のため、大量のプロジェクトを手がけています。しかし、ほとんどがバブル経済で、地方政府の財政収入も架空のものだそうです。
胡さんによると、今の中国では頭痛になると頭だけを治すといった一時的な処置のみ。重大問題が発生すると、その時に調整する。問題の根本は全く解決されないため、同じことが再発するだろうといいます。
北京理工大学の胡星闘教授―
「今の中国では頭痛になると頭だけを治すといった。一時的な処置のみ、重大問題が発生するとその時に調整する。問題の根本は全く解決されないため同じことが再発する」
経済学者の何清漣(か せいれん)さんは自身の文章の中で、温州の特大事故は中国高速鉄道の華麗な包装を剥(は)ぎ取り、国と国民に災厄をもたらし、特権階級だけに有利な“中国式モデル”の真の姿を暴き出したと指摘しています。
新唐人テレビがお伝えしました。