【新唐人2016年12月20日】
中国で大気汚染問題が悪化しています。四川省成都市ではPM2.5の濃霧が半月近くも続いており、政府に対応を求める抗議活動が市民の間に広まっています。これに脅威を感じた現地当局は、PM2・5に関する批判や情報転送を禁止する通達を出し、抗議活動を鎮圧しようとしています。
楊逸(よういつ)さんや劉珂(りゅうか)さんら成都市に住む芸術家は12日、市中心部に建つ孫文の銅像の下で、マスクをつけて座り込みを行ったところ、10分ほどで警察に連行されました。
成都市の人権活動家、黄暁敏(こうぎょうびん)さんは13日、『新唐人』に対し、この数日間で環境汚染に関する民衆の抗議活動が弾圧されていると語りました。
成都市在住人権活動家 黄暁敏さん:「捕まったり捜査対象となったりしているのはマスクをしていたとか、PM2.5に関してだけのことではありません。大勢の民衆がこの深刻な環境汚染に我慢できず、マスクをつけて抗議の意思を表しているのです。」
11月末以降、成都の広い範囲でPM2.5の濃霧が発生しているのを受け、4日、「成都を愛している。息をさせてくれ」と題した抗議活動がネットで発起され、市民にマスクをつけて市中心部の天府(てんふ)広場で抗議をするよう呼びかけました。
これに呼応して、多くの市民がマスクをつけスローガンを掲げてスモッグの中に立つ写真をネットにアップしました。
抗議活動を鎮圧するため、現地政府は特殊警察を出動させ、天府広場を封鎖しました。
成都市内には警官や私服警官が配備され、黒い煙を排出する彭州(ほうしゅう)石油化学工業の写真を撮らせないようにし、ドローンで撮影した者数人が逮捕されました。
成都市民の劉さんは、9日から成都の各機関の役人は部下らに対して、天府広場へ行かないようにと警告していると言います。
成都市民 劉さん:「国営企業などの政府機関や工場には、土日2日間、自分が管轄する公務員や幹部、一般職員が広場で横断幕を掲げたり、スローガンを叫んだり、マスクをつけたりして抗議することを禁止するようにとの通達が出ました。成都ではこの3~4日間、『彭州』『マスク』などの用語の利用が警戒されています。」
12日には、成都市の学校全校が緊急会議を開き、学生のマスク着用やスモッグに関する話題について討論したり、天府広場へ出かけることを禁じました。
現地当局は、もしも大量にマスクを購入したり、「人体の健康」に関する内容の記載物をコピーした者がいたら、通報するようにとの通知を発布しています。
成都市在住人権活動家 黄暁敏さん:「実際には、強大な力を持たない市民が、自分の考えを表明するためにマスクを着用してある場所へ行くということが、当局にとっては権力を脅かすものであり、治安の不安定をもたらす要因になると考えているので、こうした方法で鎮圧しているのです。」
現地の市民は、300億人民元以上を投資して建設された「彭州石化(彭州石油化学工業基地)」によって大気汚染がさらに深刻化したと考えています。2008年から2013年にかけ、現地住民の抗議活動はことごとく鎮圧されています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com.tw/b5/20161214/video/186062.html(中国語)
(翻訳/白白 ナ映像編集/李)