【新唐人2016年12月23日】
先日、南京(なんきん)栖霞(せいか)公安分局が大規模な医療廃棄物回収事件で廃品回収業者を摘発しました。没収された医療廃棄物は13.5トン、約6.7億円分でした。国外では“危険”と考えられている医療廃棄物も中国では再利用され、食器に再加工されて各地で販売されており、深刻な問題になっています。
報道によると、最近南京栖霞公安分局が燕子磯顧家村一帯で調査を行ったところ、現地の1号廃品回収所内で大量の医用輸液バック、輸液チューブ、点滴ビンなどの医療廃棄物が貯蔵されており、悪臭を放ち周囲に深刻な影響を及ぼしているのを発見しました。
この廃品回収所の登録名は南京康士園環保科技有限公司で46歳の張と言う人物が法人代表でした。張は2012年から南京の病院数か所から医療廃棄物を毎月10数トン回収していました。
回収された医療廃棄物は粉砕機でプラスチックの顆粒にされており、輸液チューブ、点滴ビン、注射針も粉砕されプラスチックに混ぜられていました。これをプラチック顆粒の加工工場に転売し、市場とネットで各地のプラスチック製品メーカーに販売していました。
医療廃棄物は医療、予防、保険および関連活動の中で出た直接或いは間接的な廃棄物のことで、伝染性の病原菌、ウイルス、化学汚染物および放射性の有害物質が含まれ危険性が極めて高いため、中国国外では命にかかわる、非常に危険なものとみなされています。中国大陸でも1号危険廃物に挙げられており、規定に沿った“焼却法”で処理し、殺菌と環境汚染除去をしなければなりません。
しかし悪質な工場は未処理の医療廃棄物を原料に、プラスチック玩具、食器などを生産し、全国各地へ販売しています。
南京警察は、今回の調査の中で注射針を含む輸液チューブの廃棄物が約8.5トン、抗生物質のガラス瓶が約5トン、合計13.5トンであったと報告しています。
以前、中国大陸の記者が河南省の回収所を密かに調査した際、ある回収所の責任者は、医療廃棄物の回収では毎月軽く5,60万円稼げる。点滴ビン、輸液チューブ、薬瓶(血液や薬品が残っている物も)は回収後、使い捨ての食器、コップ、ゼリー容器等に加工される。医療廃棄物からつくった使い捨て食器は安価なので全国の購入者がここへきて買い、商品の供給源は絶えないと話していたそうです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/12/20/a1302823.html (中国語)
(翻訳/赤平)