【新唐人2017年2月23日】
2014年に香港で起こった民主化運動でデモ参加者に暴力を振るった警察官7人に実刑判決が下りました。これを巡り、判決を下した裁判官を殴った者には1万人民元(約16万円)の懸賞金を差し出すと「紅二代」(中国共産党元幹部の子弟)がネットに文章を寄せ、中国政府系紙の『環球時報(かんきゅうじほう)』も判決を非難する社説を掲載しました。一方、判決は香港の司法の独立を反映するものと評価する声も上がっています。
人民解放軍の故・蔡長元少将の息子の蔡小心氏は19日、中国版ツイッター微博(ウェイボー)で7人の警官への判決に関する文章を発表し、「イギリス国籍のこの裁判官、杜大衛(デビッド・トゥール)を殴った方に1万人民元をあげよう。約束する」と主張しました。
蔡氏はさらに、「安心してくれ。香港の司法権などはすぐにも取り上げられるだろう。(「一国二制度」の)50年の不変に拘ることはない」とも投稿しました。
蔡氏は朝鮮戦争で中国が米国に敵対し北朝鮮を支援した歴史の研究家を自称しており、革命幹部子弟や革命軍の親睦団体の発起人などを務めています。
中国の著名なネットユーザー 秀才江湖:「『紅二代』と呼ばれるかつての共産党幹部の子弟たちの頭の中は専制思想でがんじがらめになっています。彼らは民主的な社会で起こっている出来事を理解することができません。香港は97年の中国返還以降、確かに民主主義は後退しているとは言っても、独裁社会よりはよっぽどマシな社会です。」
7人の警官の裁判は、2014年10月に起こった民主化要求運動、「セントラル占拠デモ」の際、デモに参加した曽健超(そう けんちょう)さんに7人の警官が殴るなどの暴行を加えた事件に関するもので、今月17日、デイビッド・トゥール裁判官が執行猶予なしの2年の禁固刑を言い渡しました。
トゥール裁判官は、被告らは抵抗できない被害者に対し暴力をふるったことは「理由を認められない」としました。これに対し、蔡氏は、裁判官の判決は重すぎると反論しました。
さらに『環球時報』も20日、「中国の憲法や基本法に忠誠を誓う香港政府とは異なる」などとして、裁判官を批判する社説を掲載しました。
北京在住の民主化活動家、査建国(さ けんこく)氏は、今回の判決について、香港の司法の独立を示すものと評価し、『環球時報』の社説は政治的な立場に立った主張だと批判しました。
北京在住の民主化活動家 査建国氏:「判決が間違っていると言うなら、香港のどの法律、条文に照らして、被告の警官らのどの行動が無実だと言えるのか、具体的に分析しなければ説得力がない。ただ単に政治的な立場に立って、不当だと言っても、信じる者はいない。」
香港の法廷弁護士、陸偉雄(りく いゆう)氏は「7人の警官が判決に対し不服ならば上告できる。しかし、裁判官を侮辱するようなことを言うべきではない。」
蔡氏の言論について陸氏は、裁判所を冒涜するほか、法を犯すよう人々を意図的に煽動している可能性もあるとし、蔡氏が香港に入境した際、法的な責任を求められる可能性もあると指摘しました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2017/02/22/a1312736.html(中国語)
(翻訳/白白 映像編集/李)