【新唐人2017年3月8日】
中国新疆ウイグル自治区当局は、反テロ戦略の一環として、テロリストを告発するものに最大500万元(約8155万円)の賞金を与える「テロリスト告発奨励法」を導入しました。一部の評論では、当措置は社会の不安を招くと懸念しています。
22日、新疆ウイグル自治区当局は、1億元の奨励基金を設立し、テロリストの情報を提供する者に上限額500万元の賞金を与える「テロリスト告発奨励法」を施行しました。
告発する情報は、日常生活の細かな面にも及び、中古車、LPGタンクの購入が不法と疑われる場合や、電気、ガスの使用量の異常などを告発する場合は5000円(約8万円)、チャドルを着て覆面する人や、髭を蓄える若者などを告発する場合は2000元(約3万円)の賞金がもらえます。
北京の人権活動家の胡佳(こか)さんは、当奨励法は中国の昔の「文化大革命」を連想させると指摘しました。
人権活動家 胡佳さん:「個人的にはこのようなやり方は心配になります。街頭での混乱を引き起こすような気がして、お金のために無実の人を摘発する可能性も考えられます。このような反テロリスト対策は逆効果にしかならないでしょう。」
人権活動家、胡軍(こぐん)さんは、新疆当局は数年前から当政策を実施する予定だったと話しています。
人権活動家、胡軍さん:「雲南事件と新疆で起きた一連のいわゆる「テロ事件」を振り返って見ると、皆中共が自ら演じたものです。彼らはこれらの事件を口実に誰にも「テロリスト」のレッテルを貼ることができます。こうして気に入らない人たちを敵にして、任意に殺害したりすることができるのです。」
2014年3月、雲南省の昆明市の鉄道駅で無差別殺人事件が起き、その後、新疆のウルムチ駅でも同様の事件が起きました。
中国歴史学の元教授 李元華さん:「中国社会のいわゆるテロ事件はほとんどが官僚の圧迫と、一部の極端な民族トラブルのもとで起きたものです。中共はこれらの問題の火付け役ですが、社会の治安を維持する立場を取っています。彼らの手法はとても残酷で嘘の話をでっち上げ、ターゲットとなった人々を魔物化し、反社会勢力、テロリストのレッテルを貼ります。」
胡佳さんは、新疆で暴力事件が頻繁に起きるのは、中国共産党の高圧的な政策によるものだと話しています。
人権活動家 胡佳さん:「中国共産党は昔から暴力政策を実施してきました。新疆を統治するため、現地の多くの人々を殺し、今の新疆のいわゆる「安定」を築き上げたのです。しかしこのようなやり方は、多くの人々の心の中に恨みの種を植え付けたでしょう。」
2009年の「ウルムチ事件」以降、新疆では、衝突事件が相次いています。ドイチェ・ヴェレの報道によると2013年、2014年の間、新疆では数百人が衝突事件で死亡しましたが、いずれも当局より「テロ事件」と決めつけられています。
ウィグル人は中国当局によって、「2等公民」となっており、現地の警察は許可なく住民の家に入り込み、捜索することができると、胡佳さんは話します。
人権活動家 胡佳さん:「このような圧力政策下で過激な行為を取り、社会報復をしようとする人が現れます。彼らは巨大な国家機構に反撃できないため、一般市民に矛先を向けます。これでは悲劇の繰り返しです。彼らが市民を害すると共産党は彼らをやっつける口実が増え、もっと暴力統治を強化するでしょう。」
2月16日から18日にかけて、新疆のホータン市、カシュガル市、ウルムチ市では「反テロ大会」が開かれ、武装した軍人約一万名と装甲車が街を警らしました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/02/27/a1313512.html(中国語)
(翻訳/吉田 映像編集/李)