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有毒食品をめぐる官製メディアの論争

2012年05月26日

 【新唐人日本2012年5月27日付ニュース】地溝油、ホルムアルデヒド、水銀、ジクロルボス。これらの猛毒の化学品がようやく中国メディアをにぎわせている頃、有毒食品はすでに中国人の食卓の友になっていました。最近、有毒食品をめぐり繰り広げられている官製メディアの論争が人々の視線を集めています。

 
5月18日、北京日報は「主旋律を高らかに歌うのは中国メディアの責任」と題した文章を掲載しました。文章は、食品安全、医療トラブル、建築品質、官僚の汚職腐敗などの社会現象に関する報道は、西側の「報道の自由」の観念にそそのかされた結果だと批判。一部メディアの意図的な報道によって、中国の全ての食品が有毒であるかのようだが、これは一部メディアが作り出した錯覚にすぎないというのです。食品安全、医療トラブル、建築品質、官僚の汚職腐敗などの社会現象に関する報道は西側の「報道の自由」の観念にそそのかされた結果だ。
 
 
これに対し、ネット作家の呉さんは、今の中国に安心できる食品はほとんどないと反論。北京日報の言い訳は、人命無視の共産党の本質の現れだと切り捨てます。
 
ネット作家 呉建国さん
「中国の友人はこういいます。外食に行かなくても、買ってきた食用油が地溝油でないとは保証できない。中国国家体育委員会には規定があり、選手は外食してはなりません、中毒を防ぐためです。江沢民を始めとする中共政権は過去の20数年間で、社会のモラルを徹底的に破壊し、偽薬、偽食品は中国で氾濫しています」
 
文章はまた、中国メディアは自分の原則を堅持し、主旋律を突出させなければならないと主張。
 
時事評論家 章天亮さん
「『北京日報』には、メディア宣伝を掌握する所謂「主旋律」がありますが、毛沢東または江沢民時代の典型的なやり方です。毛沢東も当時言ったように「新聞が毎日悪い事ばかり報じると共産党は崩壊するではないか」
 
評論家の洪剣さんは、北京日報は共産党のメディア憲兵だと揶揄します。一方、この報道はネットユーザーからも反感を買っています。「吐き気がする。主旋律は人民の死活なんて関係ない」、「北京日報は手柄をたてようと、最近高熱を出している」と揶揄されています。
 
 
同じ日、「新華社」傘下の「新華毎日電訊」が反論文章を掲載。それによると、最近ある文章は、人々の中国食品の安全に対する不信感をメディアの責任にしているが、説得力に欠ける」と北京日報の報道に水を差しました。最近ある文章は人々の中国食品の安全に対する不信感をメディアの責任にしているが、説得力に欠ける。
 
文章はまた、問題に正面から立ち向かうことこそ問題解決の基礎であり、メディアが充分な報道を行ってこそ、民衆の認識も全面的になると主張。正しい情報をもって民衆の知る権利を満足させ、民衆の「食べ物に対する恐怖」を取り除くことができると報道。
 
食の安全をめぐる「新華社」と「北京日報」の論争は、中国社会の視線を集めました。
 
一方、時事評論家の章天亮さんは、国内外の共産党系メディアは派閥によって別れていると指摘します。
 
時事評論家 章天亮さん
「これも各メディアの異なる論調の表れです。たとえば北京の新聞は劉淇の掌握下にあります。劉淇は非常に左寄りの人で、江沢民派の代表的な人物の一人です。彼は何度も北京のメディアを利用して、周永康をバックで支え、胡錦涛をからかいました。これはよくやることです。新華社は時に温家宝を支持し、温家宝が政治改革を唱えると転載したりします」
 
一方、新華社自体が「主旋律」を歌う主な共産党官製メディアだとの指摘もあります。「新華社」が、メディアは真実を暴露しないといけないと言っても、共産党の許容範囲内でしか報道できないのです。
 
評論家 洪剣さん
「『新華社』も中共の代弁者です。数編の文章だけで、何かが変わったとは言えません。二つの官製メディアの論争は 論調が違うので、更に惑わされやすいのです。庶民は邪悪な党のメディアにあまり期待しないことです」
 
また、共産党が崩壊しない限り、中国に独立メディアや言論の自由が訪れることはないと指摘します。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
 

 

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