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南シナ海問題 中共の真の目的は

2012年08月10日
【新唐人2012年8月10日付ニュース】南シナ海における紛争が激化している中、米国の南シナ海声明は発表と共に、大きな波を引き起こしました。中共外交部は強い口調で南シナ海に対する米国の態度に疑問を提起しています。一連の強烈な抗議と譴責以外、中共の南シナ海における立場は一体どのようなものなのか。時事評論家・文昭さんに伺います。
 
司会者
「米国の南シナ海声明に対する中共の反発は激しいものでした。では 南シナ海問題において、中共の目標は何なのでしょうか」
 
時事評論家 文昭さん
「南シナ海問題において、関連諸国の目標は中国を除いては明確です。米国の目標は通行の自由と地域パワーの均衡を保つことです。ベトナムのような小国は、現在の利益を保有し、それを固定化するためで、中国に挑戦する意図はないのです。豪州や日本などの工業化国家は南シナ海の商業航路とエネルギー輸送航路に高度に依存しているので、彼らも通航の自由を守ろうとします。同時に彼らも共産党国家が南シナ海をコントロールし、ひいてはマラッカ海峡に入り、更には世界政治と経済情勢に影響を与えるのは許さないでしょう。これは周辺諸国にとっては望まない情況です。中国大陸だけは目標がはっきりしていません。現在の条件では南シナ海の350万平方キロを自分の領海にするのは不可能です。同時に北京も南シナ海の商業航路とエネルギー輸送航路に依存しています。しかし、実現可能な目標と方案を提案し、周辺諸国と交流しようとはしません。唯一行っているのは『反対』です。ベトナムが何かをしたら反対し、フィリピンが何かをしたら反対し、米国の軍事演習にも反対しますが、建設的な解決方法や実現可能な目標をもって、周辺諸国と相談しようとはしません。私の見方は、南シナ海で一定の緊張感を保ち、トラブルを長期化すること自体、中共の一種の戦略かもしれません。南シナ海問題を反米感情と民族主義を育てる温床にしますが、これも国内の政治のためです」
 
司会者
「では、中共は本当に他の国をこの地域の利益から追い出したいのでしょうか」
 
時事評論家 文昭さん
「まず中国自身も南シナ海の商業航路とエネルギー輸送航路に依存しています。南シナ海周辺に敵意に満ちた国ばかりだと、中国の長期的な経済にとっては非常に不利です。しかし、中国は本当に武力で、全ての国を追い出す意図はありません。実際は中国周辺の圧力環境も変化しつつあります。ASEAN諸国にしても、南シナ海に対する意見が分かれています。タイやラオスなどは南シナ海とは直接の利益がないので、中国に経済手段で買収されると、ASEANは分化する可能性があります。一方、ベトナム、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポールなどは直接利益とつながりますので、これらの国は日本や米国と近い立場を取るかもしれません。日本とインドも南シナ海問題が世界経済と戦略の安全に影響するのをみて、自分たちとも関わりがあると判断し、積極的に参与するでしょう。だから、南シナ海問題が国際化している中で、軍事手段をもって解決する可能性はないと思われます」
 
司会者
「ありがとうございました」
 
時事評論家 文昭さん
「ありがとうございました」
 
(翻訳/坂本 映像編集/工)
 
 

 

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