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南シナ海で暗躍する漁民民兵【禁聞】

2016年07月16日

【新唐人2016年07月16日】

南シナ海の主権問題をめぐる仲裁裁判所の判断は、中国国民にとって今最も関心の高い話題である。近年激化する南シナ海での紛争で、中国の尖兵を務めるのが漁民である。「海上民兵連」と名付けられた漁民民兵の実態とはいったいどんなものなのか。

 

南シナ海紛争の最前線でトラブルを引き起こす中国漁民は見慣れた光景だ。この漁民らは中国政府が秘密裡に組織した非正規軍、「海上民兵連」と呼ばれる民兵組織である。

 

「海上民兵連」の拠点の一つが海南省晾海市潭門鎮である。だが、現地住民はメディアに対して民兵組織の存在を語ろうとはしない。中国政府が箝口令を敷いて、問題が発生しても政府と組織には関係がないと主張するためであろう。

 

仲裁裁判の判断が下る日の前夜、衛星テレビ局アルジャジーラの記者が潭門鎮を訪れ取材した。王書茂と名乗る男性にインタビューした記者が、この炎天下に迷彩服姿の数十名もの男たちが漁船操業の準備をしている理由について尋ねると、男性は「一般の漁民で、迷彩服を着ているのは日焼けを防ぐため」と述べ、「ここには民兵連などという組織は存在しない」と述べた。

 

だが、晾海市委員会共産党学校のホームページによると、この王書茂なる男性は潭門鎮海上民兵連の副連隊長である。

 

アメリカ海軍兵学校のアンドリュー・エリクソン教授らがまとめた中国海南省における海上民兵に関するレポートは、西側諸国の注目を集めた。

 

レポートは、漁民で組織する非正規の海上部隊は中国政府のコントロール下にあり、近年緊張が高まる紛争海域の最前線で尖兵の役割を担っていると指摘する。この漁民の海上部隊は米調査船の航海を妨害したり、フィリピン軍とスカボロー礁付近で小競り合いを起こしたりし、中国政府から手当を受けているという。

 

福建省沿岸部の漁民、鄭さんは「中国政府は騙しているのさ。甘い餌でつって思想を洗脳して、思い通りに操ろうってわけさ。お決まりのやり方だ」と話す。

 

こうした漁民を紛争海域で操業させることにより、それほど大きな問題になるのを防げる上、「正常な経済活動」を行っていると主張し、中国の主権主張に対し既成事実を作り上げる効果があると、専門家は指摘する。

 

中国時事問題評論家の陳明慧氏は、「このような非正規の民兵組織を利用し軍事工作することは、軍事的観点からも国際法や人道主義の観点からも許されないことです。これらの民兵に実際に何か問題が降りかかっても、政府は見て見ぬふりで犠牲にすることも厭いません。これが中国政府の一貫としたやり方なのです」と話す。

 

鄭さんも「問題が起こったって政府は助けてくれないさ。自分たちで勝手にやったことで、政府とは一切関係ないって立場さ。必要な時だけ大切に扱って、必要なくなればポイさ。死のうが生きようが関係ないのさ」と憤る。

 

中国政府メディア「新華網」は13日、南シナ海で操業する中国漁船の装備が増強されていると報じた。報道によれば、漁船には衛星測位システム北斗や衛星電話、大型補給船、救助ヘリなどを備えているという。

 

仲裁裁判の判断が中国にとって不利な結果となったのを受け、これらの漁民民兵の役割はどう変化するのか。

 

陳明慧氏は「漁民が軍人に様変わりしたり、軍人が漁民に様変わりしたり、とその使い道は多様です。特殊部隊が漁民に成りすまして紛争を起こす可能性があります」と指摘する。

 

新台湾国策智庫の林廷輝副執行長は、中国は南シナ海で漁民や海上民兵を尖兵として活動させ、同海域の権益を摑もうとしているとし、将来はアメリカや日本、さらに東南アジア周辺国家による軍事的介入に対しても漁民民兵を投入、「自国の漁民が被害を受けた」ことを口実として軍事的介入を行おうと考えていると指摘している。

 

7月14日、南シナ海で操業する漁民は中新網の取材に対し、「通常通りの操業を行っている」「自分たちの祖先の漁業海域で操業しているだけだ」と答えた。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/07/15/a1276156.html(中国語)

(翻訳/白白 映像編集/李)

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