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【禁聞論壇】最も反中国なのはどこか

2012年08月31日
【新唐人2012年9月1日付ニュース】
 
司会者 安妮
皆さん こんにちは 「禁聞論壇」へようこそ。
中国人は世界公認の苦労に堪え忍ぶ民族の一つです。中国の庶民は歴史上でもその忍耐力を自慢に思っていました。しかし近年、中国庶民の政府に対する反抗は激化の一途を辿っています。上書や陳情から、街頭にでて抗議するようになりました。過去の一年では、毎日の集団事件は500件にも上ります。草庵居士さん、あることに気づきましたが、中共政府はある方法を取っています。国内の問題に対処しきれなくなると皆の視線を外部にそらすのです。
 
評論家 草庵居士
ええ。中共はずっとこの種の手段を使ってきました。昔は多くの手段を使っていましたが、最近は効かなくなりました。例を挙げましょう。最近中国のネット上である話題が熱く議論されています。「最も反中国なのはどこなのか」。
 
これにはストーリがあり、ネットユーザーらはこれを広く転載・拡散しています。それによると、中共のある党機関が会議をしていて、皆はあるスローガンを叫んでいました。「反中国勢力とは断固たる戦いを行う」。叫んだ後、党委員会書記が討論の議題を出しました。「どの国・地域が最も反中国・反華人なのか。華人の自由の出入りを制限しているのはどこか。華人子女の自由な進学を制限しているのはどこか。華人の不動産や車の購入を制限しているのはどこか。華人に高額納税を強要しているのはどこか。華人の高額のガソリン購入を制限し、高額のネット接続費を徴収しているのはどこか。密かに華人に地溝油を食べさせ、有毒粉ミルクを飲ませ、華人の選挙権を剥奪しているのはどこなのか」
 
問題を提起すると、会議の参加者らは黙り込みました。後に一部の人がこのことをネット上に発表し、一般人に投票を求めました。「一体どこが最も反華人・反中国なのか」。結果、投票結果を見ると、90%の中国人が「中国」と答えたのです。
 
司会者 安妮
あまりにも風刺的ですね。最も反華人・反中国なのは日本やマレーシア、ベトナムではなく、中共自身なのですね。中共はなぜ自国民に対して、これほど無慈悲なのでしょうか。
 
評論家 草庵居士
一部の知識人もこの結果には驚きました。それであるアンケート調査を中国のネット上に掲載し、ユーザーの意見を求めました。「中国ネットユーザーの政治および社会的認知」と題したこのアンケート調査は、今年4月13日から5月13日までの1ヶ月間、ネット上で行われました。合計4600通余りのアンケートを回収しました。得られた結果は、中国庶民が最も認めている社会体制は西側民主主義国家の三権分離の社会制度でした。皆は普遍的に政治に興味があるものの、公に発表はできないのです。また、社会組織においては、普遍的な認識は社会組織の欠如です。しかも皆「腐敗」を痛恨しています。最後に湘潭大学の李開勝という副教授が報告書をまとめ、中国の「共識網」が掲載しました。それによると、「中国の未来を決めるのは少数の人でもなければ、政治家でもなく、中国庶民の認知で政治制度と社会に対する認知だ」。この調査が顕したのは、中国庶民の政治に対する認知でした。
 
司会者 安妮
この調査報告書によると、ネットユーザーが最も認める政治人物は周恩来で、最も反感を持っているのは毛沢東だとのことですが、どういうことでしょうか?
 
評論家 草庵居士
ええ。基本的な政治認知の面において、調査に応じた多くの人は周恩来を認めると言いました。次はワシントンで、その次は胡耀邦、その次は鄧小平とリンカーンです。うち米国大統領が半分を占めています。最も認められていないのがヒトラーとスターリン、金正日、毛沢東とカダフィです。先ず説明したいのは、中国の現下の政治独裁の下、中共の統治の下で、庶民が公に毛沢東とヒトラーは同レベルだと言ったことは重要な問題を説明しています。庶民は心から毛沢東に反感を持ち、認めていないのです。中共は未だに毛沢東思想の旗を掲げ、憲法にも書いています。世界とは違う社会主義特色を保つとか言っていますが、この種の理論と観点は人民の願望とは背馳しています。つまり、中共は人民に背く、反人民の反動組織なのです。
 
司会者 安妮
中共政府はいつも西側の民主制度は中国には適さないと言っていますが、この報告書からわかるように民意は逆なのですね。半数以上の回答者が中共の政治制度を認めないと示しているのですね。
 
評論家 草庵居士
ええ。異なる政治制度に対する認知については、半分以上の人が中共の政治制度を認めないと示しています。逆に西側の政治制度を認めると答えています。この報告書には皆が認める5つの国が挙げられています。第一位は米国。中国政府はいつも米国は反中国で、最も立ち遅れた腐食した資本主義だと言っています。しかし、中国の7割を越える庶民は米国の政治制度を認めており、民主で自由の三権分離を認めているのです。第二位はスウェーデン。その次は英国とドイツ。第五位がシンガポールです。逆に最も認められていない国は、第一位が北朝鮮。これは皆さん理解できます。第二位は中国で、54%の中国人が中国の政治制度を認めていないと示しています。つまり、中共の独裁政権の所謂「中国特色の社会主義」を全く認めていないのです。次に認めていないのはイランやベトナム、パキスタンです。皆知っています。北朝鮮、中国、イラン、ベトナム、パキスタンはいずれも共産主義または独裁国家なのです。だから庶民もはっきりわかっています。これでわかるのは中共の所謂「社会主義制度」を庶民は認めていないのです。少し前、中共も社会調査を行いましが、非公開調査でした。何人を調査したのか、どのように何を調査したのかなど何も公開していないのに、「中国の98%の庶民が中国特色の社会主義制度を認めている」と言うのです。しかし、今回のアンケート調査はネット上で公に行われ、皆が自由に答えるようにしました。今回の調査結果が示唆したのは、中共の昔の調査報告は本当に偽りだったということです。一方、今回は庶民の民意を映し出しています。庶民の自発的な投票から中共の制度が嫌われていることと、中国庶民の民意と心の声が映し出されました。
 
司会者 安妮
では、なぜこの調査報告は「中国は依然原始的政治環境に置かれている」と言っているのでしょうか?
 
評論家 草庵居士
この報告からは中国庶民の公民組織の程度がわかりました。国際社会では、公民組織の程度は国家の進歩を代表する重要なシンボルです。公民が政治に参与する重要なシンボルが公民組織です。民主化の程度が高い国ほど公民の参与率が高いのです。独裁国家では少数の人が決め、庶民には参加させません。公民社会では、一人ひとりの意見や社会に対する管理、および公平度は公民組織によって実現されます。皆さんが目にしているように、西側国家には公民組織が非常に多く、NGO組織も多いのです。中国では公民組織は原始的な状態のままで、真の組織はありません。今回の調査報告では、76%以上の中国庶民がいかなる公民組織にも参加していないのがわかりました。中国人は公民組織への参加意欲がないのではと思うかもしれませんが、実は違います。実際の調査データは76%より遥かに多いです。76%以上が何の組織にも参加していないのです。なぜでしょうか。中国にはNGO組織がほとんどないからです。中国政府がこれらの組織に対し、厳しい政策を制定しているため、登録はほぼ不可能です。登録の条件は「中国政府指導者に服従する、共産党のリードに服従する、中国政府の名義の下に登録する」。一旦中国政府のリードと共産党のリードを受け入れると、彼らの機構になるわけで、民間の組織ではなくなり、真のNGO組織ではないのです。なので、中国には厳格にNGOと言える組織はないのです。だから庶民は参加したがらないのです。「中国政府の政治制度を認めないのに、なぜ中国政府リード下のNGO組織に参加する必要がありますか。真のNGOでなければ、参加しない」と言うわけです。
 
司会者 安妮
このように理解してもいいでしょうか。中国には真の非政府組織がないので、個体としての民衆は権益が損なわれても、黙って我慢するかあるいは感情的になって極端な発散方法を取るかですね。
 
評論家 草庵居士
ええ。中国の公民社会の発展は非常に緩慢です。仮にその芽が出たとしても、ばらばらで少ないのです。中国にある庶民が嫌っていない一部NGO組織の活動はほとんどが自発的ですが、毎回の活動の後、その作用が発揮されると、中国政府はすぐそれらを解散してしまいます。中共の一部慈善機構や公益組織の登録も中共の厳しい監督の下で行われています。このような情況下で、中国の庶民には意見を発表する機会がないのです。公民社会で公民が意見を表わすには、組織された利益集団を通すのですが、中国にはそれがないのです。一方中国政府は全ての公益組織を敵とみなしています。組織を作って政府に意見を出すことは彼らの執政地位を脅かすことで、政府を転覆させるかもしれないと言うのです。だから中国政府は各方面から公益組織に対し敵対手段を取ります。大学で学生は公益組織を作るのを恐れます。いつか捕まるかもしれないからです。だから中国の公益組織とNGOは全く発展していません。これは中共によって作り出された中国社会のひずみです。
 
司会者 安妮
報告書の作成者は「もし中国に将来何か問題が現れたら、民主の欠乏が原因ではなく、腐敗しすぎているからだ」と言っていますが、どう思いますか。
 
評論家 草庵居士
ええ。これがこの報告書の重要な点です。報告によると、わずか5%の民衆が周辺国家と中国との間の衝突や米国が中国の発展を抑制しているのではと心配しています。これらに関心を持っているのは5%に過ぎません。大部分の民衆が関心を持つのは自分の切実な利益です。しかも中共が喧伝しているような威嚇されているとか、周辺国家がみな中国を攻撃し、国家安全が脅かされているなどは民衆が認めていないのです。民衆が最も認めているのは中国現下の最大問題―腐敗です。調査報告の中では、81%の民衆が中国の腐敗は「非常に深刻」だと示し、また17%の人が「比較的に深刻」だと示しています。この二つを合わせると、つまり、回答者の98%が中国の腐敗は最も重要な問題であると見ているのです。
 
司会者 安妮
移民して20数年になるある華人が数年前、シアトルの地下室である映像を製作しました。「米国には来ないほうがいい」。しかし、近年米国に移住する中国人はますます増えています。そこで彼は嘆きました。「このスピードだと、そのうち中国に帰っても、中国人は見当たらないかもしれない」。一体どこの反華人勢力がこれだけの中国人に祖国を捨てさせているのでしょうか。
 
今日の番組はここまで、また次回お会いしましょう。
 
さようなら。
 
(翻訳/坂本 映像編集/工)

 

 

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