【新唐人2010年5月13日付ニュース】5月12日で、四川大地震から二年。これまでに、手抜き工事を訴えて投獄された人権活動家、被災者援助金の横領、子供を亡くし陳情に行って拘禁・監視される親、死亡したわが子を悼む親に対する当局の弾圧などがあった中、「来世は中国に生まれないように」との親の嘆きさえ聞かれます。
四川大地震から2年。共産党系の新華社は政府の復興事業を讃える報道一色です。しかし被災した学生の親は、北京に陳情に行ったため相次いで監視・拘禁されています。更に驚くことには、政府が建設している被災地の住宅でさえ、手抜き工事が絶えないのです。
報道によると、香港の「明報」の記者は北川のある村で、地震後建てられた住宅約30棟で、手抜き工事や粗悪な品質を発見。一部の住宅は柱のコンクリートが剥がれ落ち、鉄筋がむき出しに。天井に大きな穴があいた住宅や、水漏れのひどい住宅もあります。これらは被災者が借金し、政府の計画で建てたものですが、被災者が建て替えを訴えても政府は聞き入れません。
北川のある建築業者によると、被災地の復興工事は政府と業者が儲けるチャンスです。百万元の工事の発注で、政府職員は数万元の見返りを求めますが、建築業者は手抜き工事で40%の暴利を得ます。「被災者の金は命を奪う手抜き工事となった」「ようやく逃げたのに、また手抜き工事。今度地震が来たら逃げられるのか?」と被災者は嘆きます。
清華大学公共管理学院が昨年5月に行った調査によると、国内外からの寄付金総額は767億元を超えましたが、80%が政府の財政に組み込まれ、「余分な税収」になりました。しかし、これらのお金の用途に対する監督制度は全くありません。
地震で崩れた校舎は7,000余りで、数千名の学生の命を奪いました。四川省の環境保護活動家、人権活動家、著名芸術家らは(訳注、それぞれ順に譚作人さん、黄琦さん、艾未未さん)生存者の願いをかなえようと、被災地の学生の死亡人数と校舎の手抜き工事について調査を始めました。
しかし、このことで彼らは当局から3年から5年の有罪判決を受けました。芸術家の艾(アイ)さんも地震二周年を記念して死亡した学生のリストを製作中でしたが、現地の教育局からやめるよう言われたそうです。生存者の小さな願いでさえ、当局にとっては許せないものなのです。
地震発生後、ある記者は「国をあげて黙祷をするとき、当局はまず、天災で暴かれた人災や政府の腐敗が起こる土壌を考えるべきだ。さもないと反省の涙はただの水だ」と言いました。
亡くなった子供を悼むだけでも弾圧に遭う被災者は嘆きます。「私は卵で、政府は石。不満があったところでどうする?」四川大地震ドキュメンタリー『われらの子供たち』で、子供を亡くした母親が訴えます。「来世は中国に生まれないで、絶対外国に生まれて」。この言葉はネットで名文句となりましたが、当局によって削除されました。
新唐人記者がお送りしました。