【新唐人2012年9月29日付ニュース】昔の人の言う“ともに白髪の生えるまで”という言葉は、夫婦が白髪になるまで添い遂げることを意味します。しかし離婚率が年々上昇している中国では、この言葉はもう伝説になってしまったようです。中国民政部の最新統計では、6組の夫婦のうち、1組以上が離婚しています。偶然なことに、離婚率上位のいくつかの都市では、住宅価格も上位を占めています。あるネットユーザーはここ数年の住宅価格と離婚率に対し、“住宅価格が高いほど、離婚率は高くなる”という統計を出しています。住宅価格の高さは本当に中国の離婚率が高くなる主要な原因なのでしょうか。
中国の離婚率は連続7年上昇しています。中国民政部の資料によると、今年の第2四半期だけで、中国全土では111.2万組のカップルが離婚。離婚率上位3都市は、北京、上海、深センです。また、離婚率上位8都市のうち、6都市の住宅価格が高価格上位8都市にあげられています。
あるネットユーザーは、過去3年の住宅価格と離婚率の統計から、「住宅価格が高いほど、離婚率も高くなる」という結論を出し、住宅価格と離婚率はほぼシンクロしているとみられているようです。
上海市民 蔡文君さん
「今の人の考え方は先ず住居がなければなりません。これは女性が嫁ぐ条件です。住居も車も必要なのです。住居もなく車もなければ、相手を見つけることは難しく、結婚も難しいです。その上中国では夫婦の間で不動産をめぐる争いが多いです」
この上海に住む女性、蔡さんは、今、中国は住宅価格の高さに縛られる時代だと話します。住宅価格の高いなか、住居のプレッシャーは若者に重くのしかかり、多くの人は住居のため節約した生活を送っています。旅行も、遊ぶ機会もなく、普段、気分転換する方法もありません。そのうえ仕事のストレスも大きく、いつも夫婦で言い争い、最後には“離婚”への一歩を踏み出すしかない状況に追い詰められてしまうといいます。
これに対し、アメリカサウスカロライナ大学の謝田教授は、中国の住宅価格はここ20年、その上昇の速さが、中国庶民の受け止められるレベルをはるかに超えていると指摘。一方、ネットユーザーの統計分析についてはデータが少ないため正確とは言えず、住宅価格と離婚率の関係は統計学上からいえば意味がないとの見方をしています。
米サウスカロライナ大学 謝田教授
「ここ1~2年、中国経済は下降し始め、ハードランディングし始めています。不動産市場の崩壊も間もなく起こるでしょう。不動産市場の大幅な下降で、住宅価格が下がれば離婚率も下がるのでしょうか?恐らくそうはならないでしょう」
謝教授は、中国の離婚率上昇傾向にはもっと深い原因があり、主に思想や道徳観念、生活方式が大きく変わったからだと指摘。今の中国社会では“同棲”や“愛人”を養うのは普遍的な現象になり、“法律でも道徳も管理できない”状況の下、このような現象はますます深刻化していると述べます。
米サウスカロライナ大学 謝田教授
「現在中国社会の道徳は普遍的に低下しており、家庭に対する観念や責任感、男女間の互いの義務や道義的責任が低下した時や、さらには愛人を養うまたはその他の性の解放、性の乱れといった社会の正しくない現象など、家庭崩壊に至らしめる原因も徐々に増え、離婚率の上昇に至ります」
また、執政部門の土地の占有、不動産市場の独占、価格の吊り上げ、これらも住宅価格が高い原因だと指摘しています。
ネットユーザーはこう嘆きます。“住宅価格を狂わせているのは一体誰なのか?開発業者?義母?それとも“親愛なる党”なのか?絶えず変化する不動産市場。いつ値崩れし、いつ値上がりするのか全く予想が付かない。数十年の住宅ローンを背負い、年老いてからやっと返済し終える。“
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/佐藤 映像編集/工)