【新唐人2012年12月29日付ニュース】出生から死亡まで、出産許可証から死亡証明書まで、中国人の一生は、各種各様の証明書と付き合っているようなものです。あるネットユーザーによると、中国人は一生のうち、少なくとも80の証明書が必要だそうです。これには、“中国人は証明書のために生きているのか”と嘆かずにはいられません。一方、中国共産党は民衆をコントロールするために、無意味な証明書申請に民衆の大量の時間と金銭、精力を浪費させているとの指摘もあります。
“証明書あらば遍く天下を行き、証明書なくば一歩も動けず”。これは、“証明書大国―中国”の現実の写しです。出生すると出生証、学校に入ると学生証、卒業証、学位証、四六級証、標準語水準証があり、就職するとさらに就任証・健康証・教師証・医師証・会計証があります。出稼ぎに行くにも“出稼ぎ証明書”が必要となり、トウモロコシの収穫には“収穫許可証”が必要です。退職金を受領するには“生存証明書”を提出しなければなりません。中国は間違いなく世界一の“証明書大国”であります。
中でも“火葬・安置証明書”、“死亡証明書”、“不動産証明書”、“障害者証明書”、“未死亡証明書”は、ネットユーザーによって“中国で人間を最も苦しめる証明書”のベスト5に選ばれました。
武漢市の秦(しん)さんは、時には求められる証明書が実に荒唐無稽だと嘆きます。例えば、母親の家を使って商売をしようとしたら、戸籍簿に親子だと記されているにもかかわらず、工商部門は再度親子関係を証明する証明書を要求するのです。
武漢市民 秦さん
「もし多くのことをやろうと思ったら、証明書は80余ところではなく、80を遥かに超えるでしょう。例えば、小さな店を開き、商売をはじめようとたら、営業許可証、衛生許可証、健康証明証、税務登記証、工商許可証等々が必要です」
秦さんは、中国でこんなに多くの証明書が必要なのは、各レベルの政府部門が費用を徴収するためだと述べます。
データによると、中国には費用を徴収する各種証明書が2,000種類以上あります。さらには、証明書の発行は政府部門の利潤獲得の手段となっています。
農民が都市部に出稼ぎに行くには、少なくとも5種類の証明書が必要で、どれも費用がかかります。法人の場合、証明書費用はさらに高くなります。北京で企業登記をするには、1998年で約2万元が必要でした。何度かの改革を経ても、2002年時点で依然6,000元前後かかりました。
広東省深セン市当局は“臨時居住証明書”の発行で年間10億元の収入を得ていました。また、広西自治区横県では計画生育局と労務サービス会社が手を組み“計画生育証”を発行。6年間で560万元の“労務費”を稼ぎました。
“深圳当代社会観察研究所”の劉開明所長は、中国共産党の社会制度構築の目的は、民衆をコントロールするためで、始めから各種“証明書”で人間を制限すると共に、計画経済という管理モデルを採用していると指摘します。
「深圳当代社会観察研究所」 劉開明所長
「体制上・制度上の原因のほかに、この制度設計は人間が大量の時間・金銭・精力をこの無意味な証明書、管理体制に費やすようにしています。これこそ中国人を貧困に至らしめた最も重要な原因です。前半の30年間は金を稼ぐことすら許されず、ここ30年は金儲けは許されていますが、多くの妨害や障害をもって制限しています」
世界の多くの国を考察し、文学博士でもある劉さんはさらに、世界中どこの国でも、華人は第二世代以降は基本的に面子の立つ生活をしているが、中国という土地では、統治者が常に無茶をするため、民衆は依然として貧しいままだと示します。
在米中国民主活動家 沈源さん
「私が成長した1950年代から、我々の居住・学習・仕事、さらには結婚登記さえ、共産党機構の差配の下で行われ、いわゆる統一された差配、革命に服従するとの名目の下で行われてきました」
アメリカで30年以上生活している民主活動家の沈さんは、アメリカでは多くのことを申請する際、パスポートさえあれば他の証明書は必要ないと述べます。
また、中国では、証明書が共産党の管理手段となっており、彼らは“戸籍証明書”等の各種証明書を使って人間を縛り付け、誰もが党組織の管理から離れられないようにしていると指摘します。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/松本 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)