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子供の食欲不振―食事の時は皇帝のような気分で

2010年05月25日

「子供が思うように食べてくれない」。こんな親の悩みをよく耳にする。健やかにたくましく育って欲しいと願うからこそ、ぐずって食べたがらない子供を見ると焦ってしまうのだ。胡乃文先生の紹介によると、寄生虫など実際に病気で食欲不振になってしまう例は多くない。よくあるのは、心理面での問題だそうだ。

この心理面での問題だが、実に様々な原因が絡んでくる。例えば、食事の時間になると親から叱られる。あるいは友人から仲間はずれにされる、ひいてはいじめられることさえあるかもしれない。とにかく、食事とつらい経験が結びついた結果、「食べたい」という気持ちが失(う)せてしまうのである。
 
漢方ではよく「子供を診るのは、話せない人を診るのと同じ」と言う。つまり、子供は自ら症状を訴えることができない。心の内の問題ならなおさらである。したがって、周りの大人が食事を不快にさせる原因を丁寧に探し出し、除いていくことが大切だ。
 
この時、親の態度や心持ちも重要になる。例えば、「食べて欲しい」「食べさせたい」という気持ちが空回りして、これがかえって子供にプレッシャーになることがある。そこで胡先生が述べたように、「1~2度食事を抜いても大丈夫、お腹が空いたら自ずと食べたくなる」、このような楽観的な気持ちで子供に接したいものだ。それが結局、明るく楽しい食卓の雰囲気を作り出すことにもつながる。そんな時初めて、台湾のことわざ「吃飯皇帝大」のように、子供もまるで皇帝になったような気分で食事をすることができるのだ。
 
 
 

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