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子供の下痢―冷めた粥で下痢撃退?

2010年07月02日

じめじめとした梅雨の時期、気になるのは食中毒だ。そして、この食中毒の一般的な症状といえば、激しい腹痛や下痢である。もちろん、下痢が全て食中毒によって起こるわけではない。緊張など精神的なものや消化不良、大腸の炎症など原因は実に様々なのである。

したがって、たかが下痢だといえども、実はその治療はとても面倒だ。例えば食中毒の場合、まず病原菌を探り当てなければならない。だが、病原菌となる細菌やウィルスの種類となると極めて多い。時には人間にとって、いわゆる未知の変異した菌さえある。食中毒だけをとっても、これだけ複雑なのである。
 
ならば漢方ではどう診るのか。漢方は診察の際、病気の原因を内因・外因・不内外因という3つに分けて分析する。内因とはいわゆる七情で喜・怒・憂・思・悲・恐・驚である。外因とは六気、すなわち風・火・暑・湿・燥・寒という天気だ。不内外因はそれ以外のもの、例えば食べ過ぎや負傷、西洋医学でいうアレルギーなどを指す。
 
この原因を見極めたら、シンプルにそれを除いていけばよい。熱いなら冷ます、冷たいなら温める。これに従えば、腸炎で下痢になっている場合、その炎症、つまりその熱を取るために冷めた粥を使うこともある。下痢には温かいものという固定観念があるが、漢方の理論によれば、往々にしてそれはくつがえされてしまう。だが、確かに道理にかなっており、実際に有効だそうだ。
 
複雑な問題をシンプルに捉える。そんな漢方の一端が除けるといえよう。
 
 
 
 
 

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