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眠れない―漢方でもストレスは大敵

2010年07月18日

豊かで便利な生活を送れるようになった現代人。しかし、悩みは増える一方だ。眠れない、つまり不眠もその一つである。では、この不眠を漢方からひも解いてみよう。

「天人合一」、つまり人と天の営みは連動すると説く漢方。その考え方の柱の1つとして、陰陽がある。万物には陰陽があるが、分かりやすい例としては「昼間が陽で夜が陰」だ。人はそれに合わせて生活すると病気になりにくいという。つまり昼間は外に出て働き、夜は休息するのだ。また寝付く際には、「陽が陰に入る」ことも肝心である。これは『黄帝内経』に記されているが、陽が陰に入らないと寝付けなくなるそうだ。一般に、陽が陰に入れなくなるのは、ストレスが原因だといわれている。
 
ストレスで体がほてり、気持ちもイライラして眠れない。こんな訴えをよく聞くが、漢方は数千年も昔に、この点を理に結び付けて解釈した。ストレスが不眠を招く、これは間違いのないところだ。では、ストレスを除くにはどうするか。指圧ならば、足の太衝穴がお薦めだ。足の甲の親指と人差し指の骨が合わさり、へこんだ所のツボである。その他、「申脈(しんみゃく)穴」と「照海(しょうかい)穴」。それぞれ外くるぶしの下と内くるぶしの下のへこみにあるが、どちらとも陽が陰に入るのを助ける。
 
ところでストレスだが、先ほど紹介したツボはあくまで一時しのぎに過ぎない。根本から良くしようと願うのなら、ストレス自体を減らしたりなくしたりすることが大切だ。しかし、現代社会で生活する以上ストレスは避けがたい。そこで林先生が紹介する、とっておきの方法は考え方を変えること。くよくよしない、楽観的になる、困難にぶち当たったら一歩引き下がってとらえてみるなど…。これができれば、不眠だけでなく多くの悩みも瞬く間に姿を消すかもしれない。
 

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