【新唐人2010年8月22日付ニュース】実はロシアには世界屈指の種子銀行、つまり植物が失われた場合に備えて種を保存する施設があります。この施設は、70年の歴史を誇り、しかも戸外で種を保存しているので、世界的に見ても大変貴重です。しかし今、閉鎖の危機に直面しています。
ロシア・サンクトペテルブルク郊外のパブロフスクにある種子銀行には、千に及ぶ種が保存され、他の地域では見られなくなった植物や作物もあります。果物は32万種類にも達し、イチゴだけでも千種類あります。
ハブロフスクの種子銀行のトップ、ミコビッチ(Fyodor Mikhovich)さんは
「これらの植物は、ここでしか見られません。一部の植物は、他の地域ではもう消滅したからです。それで、中国やアメリカ、デンマークなど、わざわざ海外からここに種を求めに来る人がいます。新たな品種を作るのに必要だからです」
この種子銀行は70年の歴史を誇ります。しかも、他の地域の種子銀行は通常、乾燥か冷凍して種を保存しますが、パブロフスクの場合は戸外で保存しているのが大きな特徴です。
ロシアの裁判所は、この種子銀行の国有地をロシア不動産発展基金に渡す決定をしました。この基金が住宅建設を許せば、種子銀行は閉鎖しなければいけなくなります。
種子銀行の科学者は、裁判所の決定に反対の声をあげました。しかし、決定がくつがえる見込みは小さい上に、5分の1の土地は、じきに売られて邸宅が立てられる予定です。
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