【新唐人2013年5月29日付ニュース】ここ数年、インターネットの急速な発展に伴い、中国国内で大規模抗議デモが発生する潜在的な脅威をさらに増大させています。当局は最も短い時間での対応を可能にするため、警察装備を強化し続けています。5月20日、北京で“第5回警察装備および対テロ技術装備展覧会”が開催され、警察装備全般が展示されました。ＡＦＰ通信の北京からの報道によると、中国では、社会安定経費の高成長を受け、警察装備の生産ビジネスが盛んになり、企業が殺到する金儲けの領域になっています。
第5回警察装備および対テロ技術装備展覧会では10数種類の新製品が初めて対外的に展示されました。この中の一つが携帯電話信号の捜索およびスキャニング装置。この装置を使用すれば、中国の数十億規模の携帯電話と一般電話の信号をスキャンし、切り取りを行うことが可能です。
新製品の中にはまた、通話監視マイクロフォンや“無人ヘリ”などもあり、遠距離操作無人ヘリコプターは10万元（およそ160万円）で販売されています。ある販売員はAFPに対し、中国の多くの省の警察関連部門がすでに、この無人ヘリを使用していると漏らしました。
報道によると、警察装備用品の取扱い会社が提供する製品は主に暴動を防止する警察機動隊に供給されています。例えば、警察の制服、防弾ヘルメット、透明のライオットシールドやナイトスコープなどが含まれます。警察装備展覧会ではまた、ロボットによる爆発物処理の実演も行われました。
政治評論家 伍凡さん
「中国内部では民衆の抗議デモが絶えず、広州から北京に至るまで、毎年事件が発生しています。だから当局は気が気ではなく、これらの人々を抑制しようとします。人員を使う以外にも武装警察の装備を高性能で新しいものにする、必要があるのです。」
天安門広場をパトロールする警察も二輪の電動車を使用しています。天安門広場には至る所に監視カメラが設置されており、おびただしい数の警察や私服警官が絶え間なくパトロールを行っています。
北京時事評論家 華頗さん
「天安門事件以来警察用の設備の購買、研究開発は巨大な進展を見せています。これは天安門事件から得た教訓で、当時当局が行った鎮圧では国防軍を首都に送り込み、多くの死傷者を出しました。」
「このことから当局は首都に解放軍を進入させることは出来ないと考えたのです。だから武装警察と警察の役割を強化する必要があり、その装備を強化し、技術を向上させようとしているのです。」
1989年の天安門事件後、世界は中国に対し武器禁輸の制裁を実施していますが、中国が社会安定のために使用する大部分の装備は、禁輸リストの中に含まれていません。人権組織は外国企業が提供した製品や技術が中国共産党の監視システムの更新のために利用されていると、批判し続けています。
また、中国の社会安定維持の警察設備関連部門は、巨額の資金援助を受けています。
AFP通信によると、毎年18万件の大規模集団事件から推定すると、中国当局が今年国内の安全に使用する「社会安定維持費用」予算が2010年よりも2000億元多い、7690億元（およそ12兆7000億円）になると予想しています。
在米中国問題研究学者 張健さん
「社会安定維持費は増加し続けていますが、それはブラックホールです。地方政府はこの維持費を手に入れると まず自分の政権安定を図り、庶民を搾取します。次に自分の懐に仕舞い込み、私腹を肥やすのです」
政治評論家 伍凡さん
「社会安定維持は今、１つの事業になっています。政府からの資金供給を増やすため、事件を造り出す場合すらあります。天下泰平だと社会安定、維持費は無くなるので、大部分の人が失業します。ごろつきや用心棒は全て失業します」
「政権崩壊を防止するため、警察や武装警察を養う必要があるので、悪循環の道に入っているのです。永遠に維持費を増加させる、ことが出来ますか？民衆を全て鎮圧できますか？できません！」
北京の時事評論家・華頗（か は）さんは、中国共産党の公安警察部門は“社会安定維持”という特殊な利益を独占していると指摘します。
時事評論家 華頗さん
「その開発 販売 、使用を含むすべてを警察部門が掌握しているので、この中にも巨大な利潤が存在し、特殊な集団が山分けしています。だからこの種の腐敗は体制上の問題なのです。体制が独占的であり、社会安定維持も独占的です。」
「関連後方支援の提供などもみな独占的なので、腐敗が発生するのは当たり前です」
伍凡（ごぼん）さんは、現在中国共産党の社会安定維持経費の支出が非常に大きいうえ、経済の下降、税収の減少も加わり、中国社会は広範囲に及ぶ悪循環に陥り、共産党政権はもう維持すら難しくなってきていると分析します。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/05/22/atext901803.html（中国語）
（翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/ 映像編集/田）
