【新唐人2013年7月7日付ニュース】新疆の情勢が更に緊張しています。６月２９日に中国共産党政治局常務委員・兪正声氏が工作チームを引き連れ、新疆入りして以来、新疆では武装警察が全日巡回を始めています。また、インターネットの監視も強化し、ミニブログなどで情報を発信した１９人を処分しました。中国問題研究家は、事件の核心はウイグル族と漢族の対立ではなく、少数民族と中国共産党の対立であると指摘しています。
６月２９日、兪正声氏が3人の官僚と共に新疆の区都・ウルムチに入りました。同行した3人はそれぞれ中央政法委員会・孟建柱書記、公安部・郭声崐部長、国家民族委員会・王正偉主任。ほかにも、政法委員会の他の高官も含まれています。
派遣された官僚のクラスが高いほど、当局が現在の新疆の情勢に対し緊張していることは明らかだと、在米中国問題研究学者の張健さんは見ています。
在米中国問題研究学者 張健さん
「新疆で起きているこの事件は、中共による少数民族政策の根本的失敗を物語っています。党上層部はおそらくこの状況を驚き、恐れているのでしょう。だから江沢民時代の社会安定維持のイデオロギーが再び現れ、これほど多くの関連部門トップを新疆に同行させ、陣頭指揮を執っているのです」
兪正声氏らはウルムチに到着したその日から、市内の主要道路を封鎖し、大規模な軍事演習を行いました。少なくとも1万人の軍、警察が参加したこの演習は２００９年の“７・５事件”以来、最大規模の演習です。当日の晩、孟建柱書記は新疆武装警察部隊に“２４時間パトロール実行”を要求しました。
在米中国問題研究学者 張健さん
「上層部が新疆入りした事は、社会安定維持の確保が第一任務であることがわかります。この為に少数民族の人々の生活やその他の方面に対する更なる負担を顧みません。この事態が過ぎ去った後も対少数民族、或いは対新疆政策は何もかわらないことがわかるでしょう」
ウルムチ市民の張さんは、政府の採る厳しい“安定維持”の手段は、ウルムチに非常に緊張した情勢を作り出していると話します。
ウルムチ市民 張さん
「今、ウルムチの道路や市場はいつもより人が少なく、7.5事件当時のようです。今、一番の心配事は彼ら（中共）が通信網を切断する事です」
新疆当局は市区のコントロール強化の他に、インターネットの管理を強化し、いわゆる“ネット上でデマを流した者”19人を処分しました。新疆のネットユーザーだけでなく、広東省のユーザーもAFP通信社の写真や鄯善（ピチャン）県で起きた衝突事件の写真や一部の文字を引用したために東莞（とうかん）市の警察から脅迫を受けました。
ウルムチ市民 張さん
「これらの事件発生後、政府メディアは毎回報道後すぐにまた削除します。しかも報道はとても短いです。他メディアの取材も阻止されています。情報を発表したネットユーザーはすでに19人逮捕されました。政府の情報に対しては慎重な態度をとっています」
新疆ウイグル自治区には９００万人のウイグル族が住んでいます。２００人近い死者を出した２００９年の“７・５事件”の４周年に際し、ウルムチ市警察は６月１９日、特別案件の徹底取り締まりを３か月間行うと発表しました。
張健さんは、事件の核心はウイグル族と漢族の衝突にあるのではなく、中国共産党の独裁体制が全人類に対して大きな罪を犯していると指摘します。
在米中国問題研究学者 張健さん
「中国では少数民族に対するやり方も人々の憤激を買っています。では中共は多数を占める漢族には歓迎されているのでしょうか。どの民族にも恨まれています。中共が犯した罪はすでに皆の憤激を買っています。推し進めている制度は世界の民主化の潮流とは全く合致しないものです」
２００９年の“７・５事件”で２００人以上の死者が出ました。当時、西側メディアは中国共産党の少数民族政策にはずっと問題が存在しているにもかかわらず、当局は少数民族政策について検討するどころか、却って矛先を国外に亡命したラビア・カーディルさんに向け、問題の焦点を国内から海外に逸らそうとしていると見ていました。
海外へ亡命した“世界ウイグル会議”のラビア・カーディル議長は６月３０日、３０人あまりの抗議者と共に日本の中国大使館前で抗議活動を行いました。カーディルさんはウェブ動画の中で、“新疆は非常に厳しい状況にあり、中国政府には対話を求め続けているものの、何の回答もない。北京は始めから我々の意見を聞こうとしない”と訴えています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/07/02/atext923841.html （中国語）
（翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工）
