【新唐人2010年10月10日付ニュース】レアアースは、ハイブリッド車やLEDなどの最先端の製品に使われるほか、戦車などの武器にも不可欠の原材料です。今年7月、中国はレアアースの輸出量を4割減らすと発表。レアアースの市場価格は急騰しました。レアアースの影響力を存分に利用する中国は、世界の警戒心を招きました。
最近、尖閣諸島沖で中国漁船の衝突事件が起こってから、中国は、「レアアースの一時禁輸」というカードを切りました。中国側は否定しているものの、日本へのレアアースの輸出は止まりました。日本側は、通関手続きの正常化を求めたものの、中国はなかなか動こうとしません。
中国はレアアースが豊富ですが、かつて計画的に採掘されていなかったので、民間企業が競って採掘し、大量に輸出されました。その結果、価格は下がり、深刻な環境汚染やレアアースの枯渇も発生。
中国が安値で輸出したため、レアアースの埋蔵国は、資源と環境を守るため、採掘を禁じました。しかし、今回の件を受けて、各国は中国に依存しすぎることへの危険を肌で感じました。
まず日本は、モンゴルと採掘で提携するなどレアアースの確保に着手。代替原料の発見や、使用済みの携帯電話やパソコンからの再回収も検討しています。
韓国も約12億円を拠出し、レアアースの在庫を増やすことを発表。
アメリカもレアアースの9割以上を中国に頼っています。アメリカは9月30日、今後はレアアースの供給先を多角化すると宣言。中国への過度な依存から脱却するためです。
1980年代前半、アメリカのレアアースの生産量は、世界の半分以上を占めていましたが、その後激減しました。レアアースのメーカー、アメリカのモリコープとオーストラリアのライナスは、中国の独占状態の打破を狙っています。
この2社は、計画では2012年から、年間生産量が4万トンほどに増加。これは中国の今の生産量の35%です。オーストラリアのレアアース産業は、これを機に大きく発展し、世界的なレアアース供給国になるとの見方もあります。
また日本、カナダなど企業も積極的に中央アジアなどで採掘を開始。レアアースの提供先を多様化し、中国の独占から逃れるためです。
新唐人がお伝えしました。
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