【新唐人2013年10月17日付ニュース】イギリスの著名経済誌『エコノミスト』は、世界中に読者を持ち、中には大きな影響力を持つ各国の政策決定者や企業家も含まれています。最新号の文章は、中国北方の水不足に対する救済計画は、毒を飲んで渇きを癒す様なものと指摘。中国当局が展開している南水北調プロジェクトおよび、三峡ダムや河川の汚染問題を大々的に批判しています。報道をご覧ください。
『エコノミスト』最新号では、中国は深刻なスモッグ、生態環境破壊などの問題を抱えているが、どの環境専門家に尋ねても中国の最も深刻な問題は水問題であると答えるだろうと報道しています。
イギリスBBC放送は13日、『エコノミスト』の報告を引用し、中国の水資源の5分の4は南方にあるものの、中国の人口の半分と耕地の3分の2は北方に集中している。毎年使用される用水は6000億立方メートル、１人当たりの水使用量は400立方メートルであると報じました。しかし、北京の水不足は今、サウジアラビアに匹敵し、毎年の水使用量は１人当たりわずか100立方メートル。1970年代以来、北京の地下水位は300メートルも減少しています。
民間水利専門家 張峻峰さん
「人口の比例からすると、1人当たりの水使用量は非常に少なく、北京を例に挙げると、１人当たりの水の年間使用量はおよそ110立方メートル。これは世界基準の十分の一に相当します」
政府系メディア“中新社”によると、中国科学院の劉昌明氏は、9月に参加したフォーラムにおいて、河北省では近年地下水位が驚くべき速さで下降し、5〜60年代の2～3m前後から、今は20mから30mまで下降していると発表しました。
また、『エコノミスト』は過度の水利用により、中国の多くの河川が干上がり、消失していると報告。さらに、追い打ちをかけるように、中国は残り少ない水資源を汚染し続けていると指摘。2007年、黄河水利委員会が研究調査を行った結果、黄河沿岸13000kmには4000か所の石油化学工場が存在し、黄河の3分の1の水は灌漑にさえ適さなくなっていることが明らかになりました。
中国環境保護部は8月20日に発表した『2013年上半期全国環境品質状況』の中で、今年上半期の中国全土の地表水で重金属の安全レベルが基準値を超える現象が22回現れたと報告しています。水銀汚染は基準値の9倍、ヒ素もそれに近い汚染が確認されており、天津の海河（かいが）流域が最も深刻に汚染の影響を受けています。
民間水利専門家 張峻峰さん
「工業汚染は依然として、特定の河川に限定されています。生活汚染と工業汚染は線形傾向にあり、農薬汚染は平面という状況です」
2010年、中国地質調査局が行った研究により、華北平原の75％以上の地下水は、浄化しないで直接飲用することは出来ないことが明らかになっています。
同局が今年発表したもうひとつの地表汚染報告の最新データでは、中国の90％の地下水が汚染されており、大部分が深刻な汚染を受けていると発表されています。
『エコノミスト』はさらに、中国共産党指導者の水資源問題への対応方法は、水利プロジェクトの建設であると述べ、三峡ダムおよびさらに大規模な南水北調プロジェクトは環境を著しく破壊するものだと警告しています。
時事評論家 林子旭さん
「中国の今の環境危機は中共の手で造られたものです。中共は奪権初期に天地を変えるという滑稽な思想を抱いており、今の党官僚は業績や個人利益のため、更に酷く中国の環境を破壊しています」
三峡プロジェクト、南水北調プロジェクトには数千億元が投じられ、論争を巻き起こしています。大量の資金投入で水害や北方の干ばつ問題を解決できるのか。地質に対する破壊はないのか。特に、2008年に発生した四川大地震後は、国内外の多くの水利専門家が三峡ダム取壊しを求めています。
また、2010年の西南部の大干ばつ、2011年の長江中下流における干ばつの発生からは、南水北調プロジェクトを疑問視する声が広がっています。南方には、北方へ配分するための十分な水資源があるのか。気候変化に直面した時、同プロジェクトによって長江流域の生態環境に深い影響を及ぼすのではないか。皆、不安を感じているのです。
『エコノミスト』は最後に、水危機に直面し、中国当局は手当たり次第の方法をとっているものの、結局は役に立たない対策であると締めくくっています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/10/15/atext984064.html（中国語）
（翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工）
