【新唐人2013年10月26日付ニュース】中国東北部が連日深刻なスモッグに覆われています。多くの都市の汚染指数は暴走を続け、黒竜江省と遼寧省では赤色の濃霧警報が出されました。東北三省の航空、鉄道、道路などの交通機関がやむなく閉鎖される事態となりました。また、一部都市では幼稚園、小中学校の休校も余儀なくされました。あるネットユーザーは、まるで終末がやってきたようだと言っています。
10月20日朝から、東北3省では深刻なスモッグが現れ、うち、黒竜江省のハルピン市では大気汚染指数が基準値を遥かに超え、21日には一部地域でPM2.5の濃度が1立方メートルあたり1000マイクログラムを記録し、WHOが推奨する20マイクログラムを50倍も上回りました。
深刻なスモッグの発生によって視界がきわめて悪く、ハルピン市では複数の高速道路や空港が閉鎖を余儀なくされ、路線バスも一部運行を休止し、市民の日常生活に多大な不便をもたらしました。
黒竜江省ハルピン市民 余雲峰さん
「かなり深刻です。20日から本当に不便です。学校は全部休校になり、会社も一部休業しています」
黒竜江省ハルピン市運転手 亮さん
「郊外はさらに深刻で、2m先も見えないので、運転の際影響を受けています。市内はまだましで、4〜5m先はまだ見えます。バスの多くも運休し、高速道路もほとんど閉鎖です。運転の時はとにかくゆっくりで、なるべく乗らないようにしています」
スモッグの影響を受け、ハルピン市の病院の呼吸器科を訪れる患者は普段より2〜3割増えています。マスクも飛ぶように売れ、市内の大手薬局では売り切れとなっているところも多いとのことです。また、呼吸器感染を恐れる一部市民はマスクを何重にも重ねて着用しているそうです。
ハルピン市億百大薬局 販売員
「マスクは新入荷の分があります。普通のマスクは売れきれています。新しいのが先ほど届きました、でもすぐ売り切れます」
23日のハルピン市のスモッグは、多少はましになったものの、市の環境保護局が発表した観測数値を見ると、汚染指数は依然として400から500の間で、6段階の汚染レベルの最高レベルを示しています。
今回のスモッグが発生した原因について、ハルピン市環境局は、暖房供給の開始に伴い、ボイラーが相次ぎ稼働し始めたのが主な原因であると説明しています。また、郊外や周辺地区で行っている収穫後の野焼きによる煙も原因の一つであるとしています。
これに対し市民は、毎年暖房供給の季節になっても今年のような濃霧が発生したことは今までなかったと話します。
ハルピン市民 余雲峰さん
「このような気候は、今まではなかったのです」
ハルピン市のほか、吉林省の長春、遼寧省の瀋陽などでも深刻なスモッグが現れました。
吉林省長春市の大学生 朱さん
「視界が悪く、交差点から遠いと、朝の霧が濃いときは信号も見えません。夜帰るときにマスクをしていなかったので、鼻に刺激を感じ、のどもおかしくなり、空気の臭いも濃く感じました」
東北部で発生しているスモッグの写真が市民らによってネット上に投稿されると、広く注目され、熱い議論を呼んでいます。中国作家協会の会員でミニブログ(微博)の達人であるネッユーザーが早速“スモッグの中の東北人の新たな精神”と題した風刺詩を作り、“これはいったい誰の間違いなのか。誰に聞けばよいのか”と質問を投げかけました。
外国のネットユーザーらも中国の環境汚染の深刻さに驚きを示しています。アメリカのネットユーザーはこう問いかけます。“中国人はなぜマスクで汚染に対抗するのみで、もっときれいな空気を求めることをしないのか?”
中国のネットユーザーも問いかけます。“毎年8%、9%の経済成長率は果たしてその値打ちがあるのか”
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/10/25/atext990549.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)