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【世事関心】世紀の激戦――朝鮮攻略

2010年11月26日

【新唐人2010年11月22日】不穏な動きが続く朝鮮半島。太平洋西部での争いの背後に、大国の対立の影。朝鮮半島で起こりうる軍事変化に、どう向き合うべきなのでしょうか。南北朝鮮の軍事力、諸説入り乱れる米韓の対北作戦計画「5027」とは?もし戦争が勃発したら、中国政府はどんな反応を見せるのでしょうか。

CIAの元情報員や韓国の軍事関係者、そして本局の評論家が一堂に会し、詳しい解説と分析をお届けします。
 
【司会者】2010年の夏、太平洋で繰り返された軍事演習に世界も注目。アメリカと韓国は北朝鮮をけん制するために、日本海と黄海で合同演習を行いました。
 
これを受け、中国政府は東シナ海と南シナ海で一連の軍事演習を実施。結果、この地域には、一時、暗雲が垂れ込めました。21世紀に勃発したアフガニスタン戦争とイラク戦争は圧倒的な力で相手を制圧しましたが、その一方、最近の一連の軍事演習の背後には、21世紀の大国間の軍事対立が浮かび上がります。
 
本日の“世事関心”は、“世紀の激戦”シリーズの“朝鮮攻略”をお届けします。
 
3月、韓国の哨戒艦沈没事件を受けて、7月25日から28日まで、“不屈の意志”という名の米韓軍事演習の第一弾が日本海で行われました。
 
今年の軍事演習の幕開けとして、米韓共にそうそうたる陣容でのぞみました。米軍は、排水量約10万トンの原子力空母“ジョージ・ワシントン”、“イージスシステム”を装備した主力駆逐艦“マクキャンベル” “ジョン・S・マケイン (USS John S. McCain, DDG-56)”ラッセン (USS Lassen, DDG-82)”を派遣。
 
韓国からは、“独島級揚陸艦”や ミサイル駆逐艦が登場。
 
双方合わせて20隻以上の艦艇、FA-18、F-15K、F-16、F-22などの戦闘機、200機以上の最新の戦闘機と8000名余りの兵士を派遣。米韓にとって、34年ぶりの大規模軍事演習です。
 
注目の的は、4機のF-22。初めて、北東アジアの軍事任務につきました。世界でも随一といわれる、この米軍第5世代のジェット戦闘機は、レーダーでとらえられず、高速で、搭載能力にも優れるなどの性能を持ち、空での戦いに強く、陸や海への攻撃と電子戦の能力も備えます。F-22の作戦能力は、F―15の4~15機分に当たり、離陸の1時間以内で、朝鮮半島全域で任務を行えるのです。
 
そして8月16日、“乙支フリーダムガーディアン”と名づけられた米韓軍事演習の第2弾が黄海で実施。米韓両軍は9万人近い兵力を投入しました。
 
大規模な兵力が送られ、最新の装備も使用。米韓の日本海および黄海の演習はいずれも、朝鮮半島の有事を想定して行われました。北朝鮮に、米韓の軍事力を見せ付けるためです。
 
軍事力を誇示した米韓に対し、北朝鮮はどんな反応をするのでしょうか。
 
評論家 文昭氏
「北朝鮮の現役軍人は100万人以上います。そのうち陸軍が約70万。でも北朝鮮は領土が狭く、ギリシャと同じくらいです。しかも山が多い地形です。山地が総面積の80%を占め、平地は西部のみなので大兵団が機動的に動く空間が小さく、大規模な部隊が集結すれば、かえって敵から遠距離攻撃で狙われます。もし、北朝鮮が領空と海岸線を制御する力がなければ、米韓合同軍は南から北へと進めるし、半島の東西両岸で上陸作戦の地点を自由に選べます。しかも、このような空間では米軍が得意な空からの作戦や特殊作戦で敵をさばけます。だから、現代の戦争において、恐らく北朝鮮軍の数の優位はあまり意義がありません」
 
韓国の有名な軍事評論家、池万元博士はかつて韓国の国防研究院で8年勤務し、退役後は、アメリカの海軍兵学校で3年教えました。
 
博士は、もし朝鮮半島で再び戦争になれば、その形は、朝鮮戦争とは全く違うはずだと予測します。
 
韓国の軍事評論家 池万元・博士
「昔の歩兵作戦は一直線に並び、進む形でした。または東から西へと西のほうが追いつかないと、東のほうが待ってあげる。このように戦線を維持しました。突破されるのを防ぐためです。現在の戦争は違います。いくつか地点を選んで占領します。山頂から見ると一目瞭然ですが、目に入る区域が統制区なのです。アメリカンフットボールみたいなのが古い戦争のスタイルです。今の戦争はサッカーのようで、ボールは空を飛ぶのです」
 
北朝鮮の空軍力ですが、500機余りの戦闘機と攻撃機があるものの、その9割以上が1950年代から70年代に、中国や旧ソ連から輸入した“MiG-17”、“MiG19”、“ MiG-21”などです。ほかに、旧ソ連製の“Il-28”爆撃機、約50機、ヘリコプター280機、各種の輸送機300機、どれも劣化が深刻です。
 
北朝鮮の最新型の戦闘機は、1980年代の旧ソ連製の“MiG29”、約20機ですが、警報システムや電子戦の装備はありません。
 
韓国の空軍は、規模は小さめですが、質で北朝鮮を上回ります。“F-16”戦闘機が160機、“F-15K”戦闘機が約40機、パイロットの能力も北朝鮮よりずっと高いのです。
 
このほか、戦時になれば、アメリカは早期警戒機、衛星などを送るほか、アメリカ海軍・空軍も直接、韓国を支援します。
 
海軍力では、北朝鮮は800隻余りの軍艦を持つものの、最大の護衛艦でも排水量が1,500トン。その上、資金不足で補修されておらず、港に泊まっているだけです。
 
海に出られるのは、ほとんどが排水量数百トンしかない小型の軍艦ですが、R級潜水艦と小型潜水艦48隻は、韓国にとってある程度の脅威となります。
 
北朝鮮海軍の武器は、大砲、機関銃、魚雷のほか、ソ連製の旧式ミサイル、中国製の"蚕"対艦ミサイルがあります。しかし、コンピューター化されたシステムはありません。
 
このほか、韓国はアメリカの援助で装備したのが、“広開土大王級”駆逐艦3隻、“李舜臣級”駆逐艦6隻。さらに“イージスシステム”を備え、アメリカの“タイコンデロガ級”ミサイル巡洋艦に匹敵するミサイル巡洋艦――“世宗大王級”駆逐艦。
 
またアジア随一の巨大戦艦と称される“独島級”空母もあります。韓国は15年間に、15隻連続で戦艦を建造、世界最先端といわれ、北朝鮮を遥かにリードしています。
 
韓国の軍事評論家 池万元・博士
「例えば、北朝鮮の軍艦は大砲が軍艦の武器ですが、照準システムは遅れており、船は前後に揺れます。左右にも揺れます。船体が揺れる時、大砲も一緒に揺れます。韓国の大砲は相手を狙い撃ちにでき、船がどれほど揺れても、目標をはずしません。戦車も同じです」
 
陸軍では、北朝鮮には70万以上の常備軍がおり、6000台の装甲車も備えます。そのうち、戦車が3500台、主に1950年代のソ連製“T-55”と60年代の“T-62”の戦車からなります。
 
また、“T-62”を改良した北朝鮮製の戦車、“天馬虎”もあります。
 
韓国にとって最大の脅威は、北朝鮮の砲兵です。射程距離が50キロを超え、口径170ミリのカノン砲、そして口径240ミリのロケット砲を大量に有し、韓国の首都、ソウルを射程圏におさめます。
 
韓国の陸軍は、兵士が約56万人、戦車は約2000台ですが、装備では北朝鮮よりもずっと勝ります。
 
韓国国産の主力戦車、“K1”は、長年、主力戦車の世界トップテン入りを果たしています。いったん戦争が勃発すれば、38度線の付近に駐在する米軍が韓国軍の支援に駆けつけます。
 
また湾岸戦争の経験に基づき、射撃管制装置 、弾道コンピューター、暗視装置、複合装甲の戦車を有します。
 
これらの装備がないソ連製戦車の戦闘損害率は、これらよりも30倍も高くなります。
 
アメリカの“M1A2”主力戦車と韓国の“K1”“K2”戦車の攻撃距離は、北朝鮮の戦車よりも1000メートル以上は長く、一発目の命中率も90%以上です。双方の戦車が対決すれば、米韓は、瞬く間に、北朝鮮の戦車を粉砕できるでしょう。
 
しかも米韓陸軍が有する、“アパッチ”攻撃リコプター、“A-10”攻撃機、強大な対戦車兵器は含みません。
 
現代戦争では、ハイテク装備の重要性が増しています。両国の陸軍も同様に、実に大きな質の差がありますが、そう簡単には比べられないとの専門家の声もあります。
 
評論家 文昭
「当然、装備および軍隊の質は極めて重要です。でも、他の要素も無視できません。例えば、手元の道具の利用方法。つまり、戦術と戦略の選択。どちらが先制攻撃の機会を得るか。注意すべき点は、北朝鮮は今、常識外れの作戦をとる傾向があり、例えば、特殊部隊による浸透、テロ攻撃など。過去数十年、北朝鮮は大量の地下道を掘りました。これは38度線を貫きます。いったん戦争が起これば、恐らく地下道を使い、相手側に潜入します。だからいったん戦争が起これば、戦場の情勢は予想よりも複雑でしょう。朝鮮戦争でマッカーサー率いる米軍は中国軍の参戦可能性を軽視したため、結局朝鮮戦争で大きな損害を受けました。この教訓を米韓はくむべきです」
 
アメリカの有名な北東アジア問題専門家のブルース・ クリングナー氏(Bruce Klingner)氏は、かつてアメリカのCIAと国防情報局で20年勤めたベテランの情報工作員。クリングラー氏も、北朝鮮の大規模な武力の脅威を指摘します。
 
CIA元情報員 ブルース・クリングナー氏
「科学的に北朝鮮と米韓の軍事力を判断するのは難しいです。北朝鮮は100万の大軍を持ち、数が質を上回ります。通常戦力は時代遅れですが、それでも一撃は与えられます。韓国の軍艦を撃沈しましたから、しかも発見されずに、北朝鮮はミサイル600発も持ち、韓国全域をカバーします。日本全体をカバーするミサイルも300発、在日米軍基地も含みます。化学兵器や生物兵器のほか、核兵器を造る力もあります。いまだに不明部分も多いですが」
 
北朝鮮の遠距離武器には、4種類の弾道ミサイルがあるといわれます。射程距離が300~500キロの短距離ミサイルには、旧ソ連の“スカッド”ミサイルを取り入れていたものや、北朝鮮独自で研究開発した“火星”シリーズもあります。
 
3種類目は、“スカッド”を改良した“ノドン”です。射程距離は1300キロに達します。4種類目は北朝鮮が自身で研究開発した“テポドン”中長距離ミサイル。その最新型は、アメリカのアラスカ州まで射程に収めるそうです。
 
一方、米軍はすでに韓国に地対空ミサイル、“パトリオット”を提供。韓国も、最新のミサイル防衛システムの導入を許可。
 
“パトリオット”は湾岸戦争での活躍で、一躍有名になりました。恐らく、北朝鮮の“スカッド・ミサイル”を、有効に防げると思われます。
 
日本の東から太平洋の中部までカバーする、ミサイル防衛システムは、主にイージス戦闘システムを土台に、対空ミサイル“スタンダード”を核として作り上げられています。
 
ただし不安もあります。北朝鮮のミサイル性能は遅れているとはいえ、もしミサイルを集中的に発射すれば、米韓合同軍は、どれだけ防げるのでしょうか。民主国家の韓国は、戦時の庶民の犠牲をどれだけ受けいれられるのでしょうか。独裁国家の北朝鮮のようにはいかないでしょう。金正日総書記は、ややもすると、ソウルを火の海にすると脅していますが、心理戦において、韓国は明らかに劣勢にあります。
 
CIA元情報員 ブルース・クリングナー
「米国防総省のシミュレーションや各種の予測によると、最終的に米韓が勝利するでしょう。しかし数十万人の死傷者と1兆ドル以上代価を払うでしょう。だから、確かに米韓は勝利しますが、甚大な犠牲を払うことになります」
 
現場調査で定評のある、“国際危機グループ”の報告によると、北朝鮮には1000トンもの化学兵器があり、迅速に戦術ミサイルと砲弾に装着できます。
 
しかし何よりも危険なのが、北朝鮮の持つ核です。韓国に亡命した北朝鮮の故、黄長燁氏によると、金正日はすでに5つから8つの核兵器を有しているそうです。
 
イギリスの“ジェーン・ディフェンス・ウィークリー(Jane’s Defense)”は2009年、北朝鮮は西岸部の中朝国境付近に新たなミサイル発射基地を建設したと報道。
 
では、朝鮮半島で軍事衝突が起これば、通常兵器で劣る北朝鮮は暴走し、核兵器すら使うのでしょうか。
 
これこそ、米韓が最も恐れることです。では、北朝鮮の核の脅威は実際のところ、一体どれほどなのでしょうか。
 
評論家 文昭氏
2006~2009年までの北朝鮮の核実験の結果を見ると、一部しか成功していません。しかも、有効な発射装置が足りません。つまりミサイル技術です。核爆弾は手榴弾のように投げられません。北朝鮮の短距離ミサイルは米国よりも50年遅れています。米韓はミサイルを阻めるでしょう。中長距離ミサイル技術は未熟で、ある程度の機動発射しかできません。固定発射台ならば、発見されやすいからです。しかも領土が狭い、隠すのも難しい。爆撃機で核を落とすには制空権がないので、上空に行けば撃ち落とされます。しかも制裁によって、資金と技術の継続が難しく、今の設備は老化の一方です。逆に米韓はミサイル防衛技術で進歩を続けているので、制裁が続く限り、長引くほど米韓には有利です。北朝鮮の核の脅威が弱まります」
 
数十年来、存在し続ける戦争の脅威。いったん戦火が上がれば、米韓はどう対応するのでしょうか。米韓両軍と情報部門は、情勢の変化に応じて、北朝鮮への作戦計画を定期的に修正するといわれています。実は、南北朝鮮の経済と科学技術の差が、これほどまでに広がったのは最近のことなのです。
 
北朝鮮が高い軍事力を誇り、ソ連の脅威もまだあった頃、米韓の合同作戦計画は、ずっと防衛を主体としていました。
 
CIA元情報員 ブルース・クリングナー
「確かに作戦案はありました。機密とはいえ、公然の秘密です。すでに“作戦計画5027”として広く知られています。計画ではまず北朝鮮からの攻撃に対し、撤退戦略を採ります。情勢を安定させ、米国は援軍と物資を本土や米軍基地から運んできます。これで米国の軍事的存在感を高めます。それから北へ反撃します。非武装地帯で止まるのか、非武装地帯の再建で北と合意するのか。または平壌―元山のラインへ進んで、北朝鮮の政権を引き継ぐのか、あるいは前進しないのか。中国の再介入を防ぐためです。このほか朝鮮半島を統一するのか。これは政治が決めます。当時の情勢で決まりますが、これらの方案と戦略は米韓両国の首脳が決めます」
 
この“作戦計画5027”は、米韓合同軍の北作戦で最も基本的なシナリオです。
 
50”は米軍の太平洋本部の暗号。“2”は作戦地域の暗号で、すなわち朝鮮半島です。“7”は作戦計画のシリアルナンバー。これを軸に発展させれば、もっと詳細なシナリオができると思われます。
 
1994年、米軍は“作戦計画5027”を、初めて大幅に修正、明らかに防衛の目的を超えました。94年版の「5027」によると、戦争開始時点で、米韓合同軍が先に防衛作戦を採ってから、48時間以内に、戦線を非武装地帯の南、40~60キロの範囲内に安定させます。
 
アメリカの援軍が来たら、合同軍は南から北へと反撃を開始。その前に、アメリカの空軍が北朝鮮軍と北朝鮮内の複数の目標に、激しい集中的な空襲を行います。その後、米海軍とその陸戦部隊、および韓国陸軍が、朝鮮半島の東海岸から元山に向けて突撃。2方向から攻撃部隊が、すばやく平壌に向けて進軍して、平壌に入ります。
 
94年版の作戦計画“5027”は、96年の北朝鮮の核危機以降、大幅に書き換えられたほか、98年版、2000年版、2002年版、2004年版も存在するといわれます。
 
金正日総書記はすでに、大量破壊兵器を持っています。そこで、攻撃よりもまず防衛を優先するというのは、もう現実的ではないとの声が強まりました。合同軍は、もっと積極的に先制攻撃を仕掛けるべきで、戦争が全面的に始まる前に、迅速かつ正確な外科手術による攻撃で、北朝鮮の大量破壊兵器を始末すべきだというのです。
 
先制攻撃を何よりも強調する考え方は、最新の報告書に盛り込まれているのでしょうか。一部の専門家は、「イエス」と答えます。
 
韓国の軍事評論家 池万元・博士
「北朝鮮は危険な武器を持っているので、先制攻撃を正当化できます。攻撃目標には順序があるので、戦争を起こす必要があれば、攻撃対象の優先順位は決まっています。今は科学が発達しているので、目標分析技術も発達しています。例えば、人工衛星で平面写真を撮影できます。高度写真も撮影できます。この2つを機械に入れれば、3Dの画面が出来ます。映像も出来ます。これは目標分析に役立ちます。飛行機がどの方向から近づき、射撃するのか。ミサイル発射前に弾道を設定する時、どこを攻撃するのか、どの方向から接近するのか、全部事前に計画できます」
 
制空権を奪う力がない北朝鮮は、ずっと地上の対空能力を重視してきました。1人平均にすると、平壌は、世界でも対空能力の密度が最も高い都市です。しかし、その装備も極めて遅れています。
 
1950年代の旧ソ連製の“SA-6”対空ミサイルに依存するほか、わずかな遠距離弾道ミサイルと大量の高射砲、携帯式地対空ミサイルなどです。
 
北朝鮮が対空武器の密度を高めるのは、量で質を補うのが狙いです。しかし、1,000キロ以上の遠距離レーダーには、ほとんど電子戦の装備はありません。加えて、領土が険しく狭いため、北朝鮮は巡航ミサイルのような遠距離攻撃の手段を予想し、反撃する力に欠けています。
 
F-22”戦闘機に対しては、なおさら対応ができません。米韓合同軍がもし先制攻撃をすれば、圧倒的な優位に立つでしょう。
 
このような状況下で、誰もが関心を持つのは、金正日の背後の巨大な影、中国共産党。朝鮮戦争と同じように、軍事的に共産主義の弟分に援助するのでしょうか。
 
評論家 文昭
「もし北朝鮮が緊迫を作ったら、中国は直接軍事的な援助はしないでしょう。そうすれば、国際社会から孤立します。今、中国経済は欧米への依存度が非常に高いです。中国は欧米市場が必要だし、欧米の資金と技術も必要です」
 
中国共産党の出方について、様々な見方があります。金正日が突然死亡したら、北朝鮮に混乱が生じるでしょう。または、平壌の権力者の独断専行によって、朝鮮半島に緊張が生まれるかもしれません。共産党は朝鮮半島での戦争に巻き込まれるのを防ぐために、あるいは北朝鮮の敗戦で、民主主義の統一国家の誕生を防ぐために、米韓に先立ち出兵し、北朝鮮を占領、そして平壌の核と政権を引き継ぐというシナリオです。
 
CIA元情報員 ブルース・クリングナー
「一部の米国専門家が中国の同業者と話して感じたのですが、中国軍には計画があるようです。北朝鮮への関与です。これは中国の政治決定ですが、その不確実性のため、中国は早めに公表したがりません。でも逆にこれは不安を呼びます。もし北朝鮮が混乱に陥ったら、韓国または中国が介入の必要を感じて、大規模な介入をし、またはその前に米国や韓国、中国の特殊部隊が襲撃を仕掛ける。これにより、北朝鮮の核の制御権を得ます」
 
【司会者】今回取材した専門家は、今すぐ戦争が起きてほしいと願う国はないと口をそろえました。しかし、北東アジアはずっと世界の火薬庫と呼ばれ、北朝鮮の不可解な言動を世界は案じています。数多くの不安定要素がある中、強大な武器を持つ独裁政権の未来こそが、何よりも心配です。
 
最近の海上軍事演習では、アメリカの原子力空母が注目を浴びています。中国では、アメリカの空母にどう対抗するかで、熱い議論が交わされました。次回の「世紀の激戦」では、この話題をお届けします。
 
原子力空母の“ジョージ・ワシントン号”は、将来黄海に足を踏み入れるのか。中国のナショナリズムに火をつけるのか。最近、空母にどう対処するのかが中国のネットで熱く議論されました。本当に、一部の人が言うように、空母が黄海に入ったら、ターゲットとなるのか、中国軍は本当に空母制圧の武器を手にしているのか。“世紀の激戦”の第2回、空母攻防戦をお楽しみに。
 
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