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北朝鮮に手を焼く中国――暴走を続ける北朝鮮に中国はどうするか

2010年11月30日

【新唐人2010年11月30日付ニュース】11月23日、北朝鮮は突如、韓国の大延坪島に向けて、170発の砲弾を発射。韓国軍兵士2名と民間人2名が死亡し、19名が負傷しました。これは今年起きた韓国哨戒艦沈没事件につぐ、北朝鮮のさらなる攻撃で、世界に衝撃を与えました。アメリカのオバマ大統領は事件を受けて、韓国を断固として支持すると表明。北朝鮮の同盟国、中国は事件を非難しなかったものの、自身の裏庭――黄海で行われる米韓の軍事演習にも反対する口実が見つからないようです。中国は北朝鮮に手を焼きつつ、支持せざるを得ないと専門家も指摘します。 

韓国哨戒艦沈没事件から8ヵ月後の11月23日、北朝鮮は突如、大延坪島に砲撃を開始。兵士2名と民間人2名が亡くなりました。砲撃で無残に破壊された島の姿に、世界は驚きます。北朝鮮の相次ぐ挑発行為は、自国での権力移譲に関係するといわれています。
 
電話インタビュー
アジア問題専門家 章家敦氏
2つの事件は北朝鮮の権力移譲と関係するでしょう。金正日が証明したいのは金正恩の後継者としての能力。だから“功績”が必要です。ウラン濃縮施設の公開と砲撃は金正恩の“功績”を見せるためです」
 
さらに、韓国艦沈没事件について、中国は事前に知っていたものの、今回の砲撃は、中国が知っていたかは定かではないとも述べました。
 
また事件後、中国は、26日の楊潔篪(ようけつち)外相の韓国訪問を突如中止。事件は中国にとっても突然のことであり、中国は北朝鮮を100%コントロールできてはいないとみられます。
 
沈没事件と砲撃事件は、どちらも中国の近海、黄海で発生。沈没事件の後、米韓軍事演習の実施が決まったものの、中国の強い反発を受けて、演習の中心は、日本海に移され、アメリカの空母はいまだに黄海に入ったことがありません。
 
米韓軍事演習の第2弾が行われる前夜、北朝鮮は、今度は黄海の真ん中にある韓国の大延坪島に対し砲撃。国連など多くの国の非難を浴びました。ただある意味では、これによりアメリカの空母が黄海に入りやすくなったともいえます。中国外務省の報道官は25日、黄海の軍事演習について、“関心を払う”と述べたものの、“反対する”とは言いませんでした。
 
中国外交省・報道官 洪磊氏
「我々は関連報道に気づきました。これに対し関心を払います」
 
米韓合同軍事演習について、中国はそれほど強く反発しなかったのには、北朝鮮に対する複雑な感情があるからだといわれます。
 
元アメリカ公使 阿川尚之氏
「中国は自身の利益から、北朝鮮と緊密な関係を保っています。そういう事情のために、中国の政策は韓国や日本とは違います。角度を変えれば、中国も北朝鮮を厄介に思っているので、情勢を制御したいと思う反面、北朝鮮の崩壊も望みません。つまり北朝鮮が日本、米国、韓国と緊密になるのを望みません」
 
 “ニューヨーク・タイムズ”は、復旦大学の蔡建(さいけん)教授の話として、中国の北朝鮮への影響力は限定的である一方、北朝鮮の挑発行為には不満があると報道。ただ北朝鮮政権が崩壊して、アメリカや韓国の勢力範囲が広がるのを恐れて、北朝鮮を支持せざるを得ないといいます。
 
11月28日からの黄海での軍事演習には、75機の戦闘機と6000名の兵士を載せた米軍の空母“ジョージ・ワシントン”が参加。第7艦隊空母作戦群の作戦半径は1,000キロに達し、一旦黄海に入れば、中国の北京、天津、沿海部、および東海艦隊と北海艦隊を含む地域が、すべて武力範囲におさまることになります。
 
電話インタビュー
新唐人評論家 田源博士
「米韓の黄海での軍事演習は中国への警告にもなります。“ならず者国家”を支持するなと、北朝鮮のような政権のことです。目下、金正恩への後継固めに入っており、警告の意味は明らかです。軍事演習の情報が伝わると、中国は戦備を増強し、青島には大規模な軍機中継地が出来たそうです。また中国は黄海で大きな軍事的利益を持ち、軍事基地もあります。大連や旅順港など。ここにも異常な電波が現れたそうです。中国は警戒を強めています。米韓軍事演習に対して」
 
博士は、これは北朝鮮問題を解決する、絶好の機会だと強調しました。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
上のリンクをクリックすると、このニュースの中国語が見られます。

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