【新唐人2014年2月15日付ニュース】中国では1999年に大学の入学枠を増大してから、大学生の数が劇的に増え、大学生の就職難が大きな問題となっています。2013年の卒業生は700万人に達し、「就職が最も難しい年」となりました。去年の卒業生がまだ就職活動を続けているなか、今年は去年を上回る卒業予定者が就職戦線に参入することになります。
今年の大学卒業予定者は、去年よりも28万人多い727万人に達する見込みです。去年は「史上就職が最も難しい年」と呼ばれたため、ネットユーザーらは今年を「就職がさらに難しくなった年」と名付けています。
中国で大学生の就職難はもう珍しいことではなくなりました。1999年、大学の入学枠が大幅に増大してから、毎年の卒業生は急増し、就職市場は年を追う事に厳しくなっています。前年の卒業生がまだ内定をもらっていないのに、新たな卒業生が就職活動に参入することになり、結果、就職浪人がますます増えているのです。
中国最大の情報ポータルサイトがまとめた、2013年大学卒業生の就職状況に関する調査報告によると、2013年5月31日までの時点で、卒業生の83.2%が、内定が決まっていませんでした。
福建省の2013年度卒業生 小芳さん
「圧力が大きく、仕事が見つかりません。自分に合う仕事を探すのも難しいです」
大学卒業生が毎年増え続けている中、企業の新規採用枠は減少する一方です。2013年を例に挙げると、卒業生の数は前年に比べ3%増えましたが、新規採用枠は15%減少。就職市場の需要と供給のバランスが大きく崩れ、多くの学生が就職できないでいます。
学歴が高ければ就職しやすい訳でもありません。中国の研究機関「マイコス研究院」の報告によると、2013年4月までの時点で、大学院卒業生の就職率はわずか26%に過ぎません。
今年山東師範大学を卒業する白さんは、大学院進学を考えています。
山東師範大学学生 白さん
「私の専攻学科は卒業後大学の教師を目指す場合、最低でも大学院卒が求められるので、大学院に行く必要があります。4大卒であれが、制限がさらに大きく、多くの大学は入れません」
大学生就職難の原因については、意見が入り乱れていますが、総合的に見ると、中国の経済システム、教育システム、社会システムの深層に存在する問題の具体的な現れだと言えます。
教育専門家らは、大学側が盲目的に募集枠を増大したため、大学生の数が増えたものの質は普遍的に低下したと考えています。そのうえ、受験のみが目的の堅苦しい教育、社会のニーズに合わない学科や科目の設置などによって、多くの卒業生は企業が求める基本的な職業能力を備えていないといいます。
北京師範大学元副教授 李元華さん
「中共は教育を産業と見なし、人材教育のシステムと見ていません。募集だけ増やし、教育の質を落としています。実際 多くの卒業生は市場ニーズに適応できません。大学の募集が拡大してから、高等教育のレベルに達していない多くの学生が大学に入りました。この種の人が就職しても市場に認められません」
福建省の2013年度卒業生 小芳さん
「専攻が合わないと制限が多いです。学んだ専攻と見つけた仕事が合わないのです。勉強していないのと同じです。しかも学校で学んだものは役に立ちません。私が学んだ専攻は役に立っていません」
経済学者や社会学者は、中国経済の減速、表向きの繁栄、一方的なGDP成長率の追求によってもたらされた産業構造の不均衡が、農民工の労働力不足と大学生就職難の併存を招いていると考えます。また、各種の不透明なシステムによる就職の不公平、不平等なども就職難に拍車をかけているといいます。
北京師範大学元副教授 李元華さん
「このシステムがこうです。本当に能力のある人、抱負のある人に発揮する環境がないのです」
評論家は、大学生の就職難は長年存在している問題で、中国当局は問題の所在をはっきり分かっていながら、改善措置を取らないと指摘します。原因は簡単です。一旦、改革を行うと必然的に利益集団に触れるため、官僚が自身の利益を捨てて庶民に就職の機会を与えるのはあり得ないからです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/02/10/atext1058916.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/水田 映像編集/工)