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【禁聞】中国人のお金 一体どこへ?

2014年04月12日

【2014年4月12日付ニュース】1994年に税制改革が行われて以来、中国の財政収入は経済成長の2倍のスピードで増えていますが、その巨額の税収は一体、どこへ行くのでしょうか。

 

当局の発表によると、去年、中国の公共財政収入は12兆9000億元で、前の年よりも1兆1889億元増えました。

 

しかし、「共産党中央党校国際戦略研究所」の周天勇副所長の見方によると、12兆9000億元は予算内の収入に過ぎず、そのほか、土地財政と社会保険の収入を合わせると、19兆7000億元に達します。これは、中国人1人当たり、1万4400元、負担している計算になります。

 

しかも周天勇副所長の推計によれば、そのほかの諸収入も合わせると、財政収入は21兆7000億元に達します。これはGDP比で38パーセントに上り、赤ん坊も含めて中国人1人当たりが、1万6000元も政府の負担をしていることになります。

 

上海「復旦大学経済思想と経済史研究所」の韋森所長は「南方都市報」に寄せた文章で、「中国は1994年の税制改革以来、政府の財政収入は40倍以上に増えたが、庶民の収入は7倍以上しか増えていない」と指摘しています。

 

中国金融智庫研究所 鞏勝利さん

「中国政府の運用コストは世界一のうえ、7層の構造で党と政府の二重統治です。また共産党の他に作家協会なども国の負担で、コストがかかります。だから税金や罰金が一向に下がりません」

 

中国は共産党が政権を奪うまで、ほかの国と同じように、小さな政府を運営していました。例えばアメリカ政府は、わずか4層の構造で、各党派とその団体は国の財政支援を受けません。

 

25の先進国を研究したイギリスのある経済学者によると、税負担の高い国は競争力が低めです。韋森所長によると、税の原理から言うと、企業や個人から税を徴収することは、どれも政府の公権力が個人の私有財産権を侵害していることになります。国の運営には税金が欠かせませんが、できるだけ少ないほうがいいそうです。

 

しかし中国では長年ずっと、各レベルの政府から税部門まで、官僚は皆、財政収入を増やすことに躍起でした。地方政府が中央に申告する時、ほとんどの場合、地元の経済成長以外、税収と財政収入の増加を功績として報告します。

 

2000年以来、中国政府の財政収入は、毎年ほぼ予算目標の170パーセントを超えており、目標の200パーセントから300パーセントを超えた年もありました。

 

中国金融智庫研究所 鞏勝利さん

「共産党は国の最大の財産を握っていますが、公開していません。国民に知られれば、党の存在意義が問われるからです。80年以上富を積み上げてきました。中規模国家を超える富です」

 

大陸のコラムニスト、劉植栄さんが、かつて世界各国の税負担を比較したところ、中国の2010年の税負担率は43.9パーセントで、納税者は税金を納めるために161日働くことになります。一方、アメリカは負担率が27パーセントで、税金を納めるために働く日数も99日に過ぎません。

 

劉植栄さんはまた、中国の個人所得税は税収全体の6.6パーセントで、税負担は主に、付加価値税、消費税、関税、営業税、固定資産税、資源税などの間接税だと指摘します。よって、税負担を軽くする鍵は、間接税です。

 

米・サウスカロライナ大学 謝田教授

「普通の国はまず個人をもうけさせて、一定の税金を取って、政府を養います。それで税金の高低が決まります。しかし中国共産党はまずすべての金を奪います。生産手段、土地、資源、鉱山 設備、全部が政府所有です。庶民には少ししか与えず、さらに税金を搾り取ります。何重に徴税しているのです」

 

また、1993年の「中国教育改革発展綱要」によると、教育への公的支出は2000年以前は、GDP比で4パーセントで、1995年が最低の2.41パーセントでした。この20年ずっと、4パーセントの目標に達していません。

 

大陸の「中新網」の報道によると、中国の教育への公的支出は、GDP比で、国際平均の半分です。また公的医療費支出もGDP比で4パーセントで、WHOの世界ランキングで最下位から4番目です。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/04/10/atext1099152.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/村上 映像編集/工)

 

 

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