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中国塩買い占めその背景に迫る

2011年03月18日
中国塩買い占めその背景に迫る

【新唐人日本2011年3月19日付ニュース】東日本大震災の被害で福島原発が爆発、放射能漏れが発生。これを受け、海を隔てた中国では塩の買い占めが起きた。3月17日には、塩が手に入らなくなったため、しょうゆや豆板醤などの調味料すら買い占めに走る市民が続発。これに対し専門家は、大陸市民の当局に対する不信が背景にあると指摘した。

 
中国政府系の経済紙「経済日報」によると、3月17日の朝、「塩の買い出し熱」が北京を襲った。各スーパーの店の棚から塩が消えたのだ。買い占めに走る原因について、市民は、ヨウ素入りの塩で甲状腺を(被曝から)守れるからと答えた。中には、まだ家に在庫があるのに、皆が買うのを見て、これから買えなくなるのではと心配になった者もいる。
 
大陸のネットでは、塩で被曝を軽減できるとか、逆に食塩で被曝するといった常識の欠けたうわさが広まっている。これが今回の騒動を招いたが、中国人の当局への不信感の裏返しともいえる。
 
英国「フィナンシャル・タイムズ」の中国語サイトのある文章も、最近の塩買い占めの動きは、大陸市民の政府への不信感を反映したと指摘。たとえば、2003年のSARS事件。当局はこの感染の広がりを最初、故意に隠ぺい。そこで、市民の間には、名前すらわからぬ「奇病」への恐怖感が広がり、この「奇病」に効くとされる酢や抗ウィルス作用のある生薬、板藍根(バンランコン)の買い占めが発生。
 
そして今回の塩騒動。塩が被曝に対して有効だとするうわさが広まった際、市民はこれを信じ、何とか塩で自衛をしようと試みている。ここから、買い出しが起こった。
 
中国のネットユーザー、“北騎士”さんは、「塩買い占めの根っこには、市民の不安がある」と題する評論を発表。塩買い占めは愚かな行為というよりも、一種の「危機」「不安の危機」だと感じると表明。つまり、安心感の欠如。塩をすぐに確保するという政府の言葉を信じるくらいなら、普段の十数倍のお金をはたいてでも塩を買う。これはなぜなのか、と皆に問いかけている。
 
広西チワン族自治区の「ak275418」さんも、日本の原発危機で太平洋沿岸国がパニックに陥ったが、中国人は何を恐れる必要があるのかと皮肉りる。長年、地溝油(本来廃棄されるべき廃油で、食用に転用されたヘドロのような油)、大量の添加剤を使用した「化学火鍋」、メラミン入りの粉ミルク、カドミウム汚染された米、皮革ミルク(たんぱく質を増量させるために、皮革や動物の体毛の分解物を加えたもの)を食べてきたのは何のためか。これから起こる生物化学兵器戦争で生き残るためだ。スタートラインでは、我々は勝利している。こんなちっぽけな被曝など、物の数ではない。今度は「双匯ブランド(中国の肉加工の一流メーカー)のハム。赤身の多い肉にするために、家畜に違法添加物、「痩肉精」を与えていたそうだ。この害の方が被曝よりもずっと恐ろしい。日頃から、わけのわからぬ代物ばかり食べているのだと中国の現状を嘆いた。
 
このほかネットでは、浙江省寧波市慈溪では、原発危機の影響による被曝を恐れて、17日、ある市民が過度に食塩を摂取。家族が発見し、病院に送ったものの治療のかいなく死亡したとのニュースが流れている。これは、東日本大震災で、日本本土以外の、初めての死者だとされる。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2011/03/18/a506708.html.-陸搶光碘鹽搶醬油紫菜-日民众:不可思議.html#video

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