HOME > ニュースページ > 国際 > 詳細

中国資本ハリウッド買収の背後に中国政府 米議員が危機訴える

2016年10月22日

【新唐人2016年10月22日】

中国の不動産デベロッパー大手・大連万達グループが米ハリウッドで映画製作会社のレジェンダリー・ピクチャーズや映画館チェーン・AMCシアターズなど一連の大型買収を行っています。これを受け、米議員からは、米メディア業界が中国資本によって支配される危険があるとし、万達グループの買収について司法調査を行うよう求める動きが広がっています。

 

大連万達グループが米国の映画業界で積極的に買収を行っていることが、米議会の関心を引き付けています。下院の16名の議員が調査要求書に署名し政府監査院に提出したほか、10月6日にも米国で投資している中国資本に対し増加審査を行うよう司法省に求めました。

 

『ニューヨーク・タイムズ』中国語ネット版の8日の報道によると、共和党のジョン・カルバーソン議員が、万達グループの最近の一連の買収について審査を行うよう司法省に要求しました。

 

カルバーソン議員はジョン・カーリン司法次官補への手紙の中で、「これら一連の買収や融資の合意により、米国のメディア企業の財務と内容に関して、中国政府管理下の企業が支配権を持つことになる。中国企業がどんな目的をもってこれらの権利を使うのか注目すべきだ。」と訴えています。 

 

報道によると、万達グループは2012年に世界最大の映画館チェーンのAMCシアターズ、2016年1月にレジェンダリー・ピクチャーズを買収したほか、さらに現在、AMCシアターズのライバル会社カードマック映画館の競売入札にも参加しています。万達グループの王健林理事長は、ハリウッドの重要な映画製作会社も買収しようと試みています。

 

米国ケイトー研究所客員研究員夏業良氏:「衆知のように、最近中国政府は対外イメージを良くするため、大量の投資を行っています。王健林氏は個人の資本家という立場に留まらず、その普段の言動から、大国の企業家であることを意識していることが分かります。時に政治的な論調も見られます。」

 

『ニューヨーク・タイムズ』は2015年4月、王健林氏と中国共産党との関係について調査し、同氏の父親は毛沢東の部下で中国共産主義革命に尽力した人物であり、息子の王氏は世界トップクラスのエリートで中国資本主義モデルの象徴であると報じています。「政府がすべての土地を所有する国家で、王健林氏は世界最大の不動産企業を作り上げた」と書かれています。

 

過去30年間にわたって中国の企業が国の経済成長を牽引してきました。しかし、中国で成功した企業家は共産党と協力関係になければならないと、調査レポートは指摘しています。

 

サウスカロライナ大学エイケン商学院教授 謝田氏:「映画業界だけではありません。中国政府は民主主義国家で保障されている言論の自由を利用し、資本主義制度下の財政制度の自由、企業制度の自由を利用して、貿易やイベント、企業買収などを行っています。中国共産党の価値観を刷り込んで、自分を宣伝、粉飾してイメージを作っています。」

 

中国共産党の価値観を世界へ広めるため、中国資本の企業買収は映像業界に限りません。

 

オーストラリア政府は今年4月、中国の畜産会社がオーストラリア最大手の牛肉会社S. キッドマンの買収を阻止しました。S. キッドマンは3つの牧場の賃貸権を有し、10万平方キロメートルの牧場を持っています。その面積はオーストラリアの総面積の約1.3%に相当し、オーストラリア最大の地主です。

 

しかし、中国側はあきらめず今月9日、別の手を講じました。上海住宅不動産と豪資源会社ハンコック・プロスペクティングの女性会長ジーナ ・ ラインハート氏が手を組み、ラインハート氏がS.キッドマンの67%の株を買い、上海住宅不動産が33%の株を買うと表明しました。しかし、この買収は今現在、オーストラリア政府の許可を得ていません。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/10/14/a1291468.html(中国語)

(翻訳/小松 ナレーター/根本 映像編集/李)

トップページへ