【新唐人2010年3月22日付ニュース】野菜、餃子にひき肉から牛乳まで、あらゆる毒入り食品が出回る中国。最近ではメラミンのほか、排水溝にたまった廃油、「地溝油さえ登場しました。一向にやまぬ毒入り食品に、中国人は「これから一体何を食べれば良いのか」とさえ悩み始めています。
重慶晚報は、3月18日、「中国人は1年で300万トンの地溝油を摂取する。その毒性はヒ素の100倍に上る」と報道しました。
報道によると、毎日下水道から大量の黒くにごった赤みを帯びたのり状の物をかき出す人たちがいます。それをわずか一晩、こして、加熱し沈殿し、分離しただけで、この悪臭を放つごみは透き通った「食用油」に一変します。
この種の地溝油は、「三無商品」と呼ばれます。メーカー、生産者、生産日の3つがないからです。
報道によると、この油の毒性は何とヒ素の100倍。医学研究の結果によれば、この種の油を長期的に摂ると、発育障害や腸炎、内臓の肥大や脂肪肝を招きやすくなります。
この報道はすぐ、ネットに転載され、わずか1日の間に、数百名の声が載りました。
例えば、「信仰がないから道徳もない、これは民族の悲哀」。「中国人の体は最も健康だ。メラミン・マラカイトグリーン・痩肉精(そうにくせい)・偽酒・毒野菜・人造卵・偽薬で出来ているからだ」
こんな英語の声も。「消費者として、地溝油を使っているかどうか、我々には分からない。中国での外食は、もう安心感がない」
全国食用油標準化委員会の何東平(かとうへい)教授によると、中国の食卓には毎日200~300万トンもの地溝油が戻ってきます。中国人が1年で摂る動・植物油の合計が約2250万トンだとすると、10回の食事のうち1回は地溝油なのです。
外食業が出す食料廃棄物から1トンの地溝油を取るコストはわずか300元ほど。一人で毎日通常、桶4杯分を回収・精製(せいせい)しますが、その後、食用油の市場価格の約半分、7、80元で売ります。毎月の稼ぎは1万元あまり。これは、エリートサラリーマンの給料に相当します。
地溝油はなぜ、一向に禁止されないのでしょう。専門家によれば、主に衛生監督・食品安全・質量監督など多くの部門が「分家」状態に陥ったからです。つまり、皆等しく無責任になりました。
地溝油の研究をして7年になる何東平教授は「地溝油の問題のカギは検査手段や標準化ではなく、政府の管理がおろそかな点だ」と話します。