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不妊症(一)―自然の理には背かない

2010年03月23日

代理母に代理出産、人工授精など、不妊にまつわる言葉が昨今、ちまたにあふれている。不妊に悩む人がどれほど多いか、そしてその悩みがどれほど切実かを物語っているが、よく考えてみると不思議だ。現在、特に先進国では衛生状態や栄養状態が劇的に改善している。もちろん現代医学も飛躍的な発展を遂げたはずだ。けれども、逆に不妊症で悩む人は増えているようだ。これはなぜだろう。

胡先生はここで、ずばりこう述べる。「発展を遂げた現代社会こそ、かえって妊娠を難しくしている」。つまり、様々な科学技術が発展したおかげで、人々は自然の流れに沿わなくても生活出来るようになった。酷暑の夏も強烈に冷やしたクーラーのもと、汗一つかかない。闇が深くなってもこうこうとした明かりをつければ、徹夜の仕事や勉強も可能だ。ビニールハウスを用いれば、季節に構わずどんな野菜果物も口に出来る。高カロリーの餌を与え続ければ、いわゆる霜降りだらけの家畜を育てられる。例を挙げればきりが無いが、人はもう自然の理にそって生活を営まなくても可能になった・・・・・・かのように見える。
 
だがその結果、人はより健康になり幸せになったのだろうか。不妊症が増加の一途をたどっているようだが、このことと関係はないのだろうか。自然の理に反することばかりしていれば、人の体だって本来あるべき状態からどんどん離れていくのではないだろうか。
 
複雑すぎて原因を見極めることすら難しい、不妊の問題。だが、元をたどれば実は非常にシンプルかもしれない。自然の理に背く行いは出来るだけ避けること。これが胡先生のアドバイスだ。この言葉を機に、自分の生活を振り返るのも悪くは無い。

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