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中国の農村でも薬物汚染広がる

2017年05月09日
中国の農村でも薬物汚染広がる

【新唐人2017年5月9日】

中国は深刻な薬物汚染問題に直面しています。社会に流通する薬物の量も使用者の数も増加の一途を辿っており、農村でまで氾濫している状態です。

 

湖南省の薬物依存更生病院の職員である34歳の陳敏さんは、薬物依存からの更生をサポートしていますが、薬物がどこにでも氾濫している驚くべき実情を知るようになりました。「ある農村では、冠婚葬祭の席で、煙草を吸う感覚で薬物が使用されている」と陳さんは話します。

 

信じられないことに、ある農村では薬物を手に入れるのが非常に簡単だと言い、「電話で注文すれば30分で家まで届けられる」と話します。

 

陳さんが勤務する薬物依存更生病院の李江紅院長がメディアに提供した同院のデータによると、同院に入院した2015年以後、郷、鎮とその下の農村の患者は患者全体の50%以上に上り、さらに増加傾向にあることが分かります。かつては薬物依存更生病院に入院する患者は高所得者がほとんどでしたが、現在は中低所得者、さらには貧困家庭にまで蔓延しているといいます。患者の年齢も10年前には主に30歳以上でしたが、低年齢化が進み、今では患者の平均年齢は25歳で、最年少の入院患者は13歳だと言います。

 

薬物は1990年代の初め頃から中国の西南、西北地方に侵蝕し始め、今では中国全土に蔓延しています。昨年2月に政府が発表した「2015年薬物現状報告」によると、国内の234万5000人の常習者のうち、18歳未満が4万3000人で全体の1・8%、18歳から35歳までが146万5000人、新たに発見された常習者は53万1000人で、年間14・6%の増加で、2014年末までに死亡した常習者は4万9000人に上りました。

 

国連が2015年5月に発表した報告書では、中国は世界最大の麻薬前駆物質生産国であり、アジア太平洋地域における薬物製造と取引の盛んな地域だと指摘されています。

 

「ヘロイン、コカイン、アヘンなどの昔からある薬物に比べ、咳止めやトラマドールなどの薬物を乱用して中毒になる問題が青少年に大きな危害を及ぼしています」。少年薬物常習者の更生をサポートしているスタッフは、薬物を常習する青少年のうち、ヘロインなどの従来の薬物を使用するケースは全体の10%で、メタンフェタミンやエクスタシーなどの合成薬物が主流を占め、60%以上の子供が薬物乱用常習者だと指摘しています。

 

青少年は新しいタイプの薬物を薬物だとは思っていないため、常習からなかなか抜け出すことができません。成績の低下や家の問題、失恋といったストレスを発散するために、薬物に快楽を求めているのです。

 

中国の薬物常習者の低年齢化は非常に大きな問題であり、心理学者は中国の若者が精神的な空虚さを満たすため薬物に手を染めていると分析しています。

 

心理学専門家 李莉氏:「我々は外的なもの、たとえば衣食住などの物質面をよくしたいと気を取られがちですが、内的なもの、たとえば自分が生きるうえで拠り所とする価値観や人生観や世界観、信仰や使命感といったものを導くものがありません。

人としてどうあるべきか、健康な精神をどうはぐくむのか、我々が受けている教育はこうした面の教育が非常に不足しているといえます。」

                                                                              

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/04/26/a1322085.html(中国語)

(翻訳/白白)

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