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広東省で「農民工」の呼称廃止?

2012年01月12日

【新唐人日本2012年1月13日付ニュース】中国広東省のトップ、汪洋共産党書記は3日、農民工の呼称を廃止する方針を発表。しかし、農民工らは呼称だけ廃止しても実質的な意義はないと示します。一方、この政策は次期政治局入りのための、汪書記のポイント稼ぎに過ぎないとの指摘もあります。

烏坎村事件が一段落し、汪書記は政治局入りの重要なポイントを稼いだと、国内外メディアは分析。一方、香港メディアは、烏坎村事件において、汪書記は次期指導者とされる習近平と李克強のために道を探ったと報道。

香港のアップルデイリーは、烏坎村事件において、汪書記の態度が事態の発展を左右したと報道。デモへの黙認から後の村民への報復、官民のにらみ合いに至るまでの汪書記の揺れ動きから、背後の政治闘争が見え隠れしていると報道。第18回共産党大会で政治局入りできるかどうか、さらには次期指導者の社会動乱に対する対処方法にまで影響すると報道。

1月3日、汪書記は広東省全体会議で、農民工の呼称を廃止し、省外からの出稼ぎの労働者への管理を強化する方針を発表。

一方、“現代社会観察研究所”の劉所長は、呼称の廃止だけでは無意味で、肝心なのは真に農民工の身分を変えてあげる事だと述べます。

現代社会観察研究所 劉開明所長
「“農民”は彼らの身分を指し、“工”は彼らが従事する職業です。中国がまだ戸籍制度を保留している中農民工は彼らの現状を最も適切に表した呼称です」

また、農民工の呼称を完全廃止するには、現行の戸籍制度の廃止が必要不可欠だと指摘。戸籍制度の身分差別を廃止してこそ、真の意義があると述べます。

現代社会観察研究所 劉開明所長
「公民一人ひとりが自由に中国の国土で広東で就職し生活する。そしてここで生活する限り、その子女もここで学校に通え、ここで医療 住宅 教育など社会資源の保障が得られる。そうなるとおのずと“農民工”の呼称は消えます」

“農民工”とは中国特有の都市と農村の差別による産物で、都市部で非農業産業に従事する農村戸籍の労働者を指します。戸籍制度の差別により、権益の保障がなく、最低の労働条件、最低の収入の生活を強いられています。近年は、地元住民とのトラブルも頻発しています。

去年6月に起きた四川籍農民工による大規模抗議。あるメディアは、広東省で頻発する抗争事件は、経済発展の過程における農民工に対する不公平さを浮き彫りにし、汪書記のスローガン、“幸せな広東”に平手打ちを食らわしたと指摘。

農民工
「書面上で差別しないと言ってもこれは書面上だけの訂正で 本質的には 我々はまだ農民工なのです。本質は変わりません」

農民工への新たな政策は、第18回共産党大会を控えた汪書記の最後の手段にすぎないとの指摘もあります。

新唐人テレビがお伝えしました。


 

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