【新唐人2013年1月28日付ニュース】深刻化の一途を辿る中国の腐敗問題に対し、人々はただ当局の腐敗一掃の力度が不十分であるとの認識にとどまっていました。先日、習近平総書記は共産党中央規律検査委員会(中紀委)の会議において、“虎”も“ハエ”も一緒に叩くと明言しました。では、習総書記の指し示す“虎”とはいったい誰なのでしょうか。
中国共産党の代弁者・新華網の22日の報道によると、習近平総書記は中国共産党中央規律検査委員会(中紀委)の会議で反腐敗問題に言及した際、“虎”も”ハエ“も一緒に叩き、誰に波及しようとも徹底的に調査し、見逃すことはないと強調しました。しかし、どのクラスの官僚が”虎“であるかは明確に示しませんでした。
では、習氏が退治しようとしている“虎”はいったい誰なのでしょう。様々な推測が出されています。
香港『文匯報』(ぶんわいほう)の報道によると、中国人民大学反腐敗および廉政政策研究センターの毛昭暉主任は、今後一定期間内に中国共産党は最も重い拳を2匹の“トラ”―金融領域と省・部クラスの高官の汚職に振り下ろすだろうと分析しています。
ある海外メディアによると、旧正月の後、反腐敗行動は金融業界の高官から始まる予定で、リストもすでにできているそうです。
情報によると、第十八回共産党大会の終了後間もなく、海外のツイッターでは、中央規律検査委員会の王岐山書記の反腐敗の第1ターゲットは、党内序列第5位で政治局常務委員の劉云山の息子・劉楽飛および、前政治局常務委員・李長春の娘・李彤のプライベートファンドではないかとの情報が伝い出されました。
香港誌”動向”の最新情報では、中国国務院常務会議において、李克強)副首相は中央国有企業の大手5社である中国石油、Sinopec(シノペック)、中国海洋石油(SCOOC)、チャイナ・テレコム(中国電信)、チャイナ・モバイル(中国移動)の名をあげ、縁故者採用、多額の公的資金乱用、官商結託、別会社を作り”家族業務”を行う等を指摘したと伝えています。
李副首相はまた、”整頓せず、大きく改変しなければ、大きな問題が生じ、誰も責任を負うことが出来ない”と警告したそうです。
李副首相のこの話は、習近平総書記の”反腐敗”運動に協力したもので、矛先は周永康に向けられており、周永康とその家族が隠した巨額の腐敗汚職が明らかになりつつあることを指していると、外部は見ています。
在米社会問題学者の張健さんは、反腐敗運動は江沢民元国家主席や李鵬元中央政治局常務委員、中央政治局常務委員7人、および周永康など血の債務がある人物から始めるべきと指摘します。
情報よると、1992年、江沢民が政権と軍を掌握すると、長男の江錦恒に多額の利益を流しました。江錦恒は中国の民衆から“中国一の汚職者”と呼ばれています。
”新唐人”の時事評論家・ジェイソンさんは、中国当局の大々的な反腐敗運動は、新指導者になった習近平氏の威信を打ち立てる方法のひとつにすぎないと示します。
時事評論家 馬傑森さん
「彼はこれを利用して、人心をつかみ、同時に自分の権力を集中することもできます。しかし、虎とハエを一緒に退治できるのかどうか。これが問題なのです。その可能性は実に疑わしいのです。これは彼(習近平)の威信を打ち立てるための方法であって、別に彼が本当に中共の腐敗官僚全員を打ち倒すわけではありません。中共が清廉な政党になるのは不可能です」
時事評論家の史達さんは、反腐敗運動は共産党内部のことで、民衆とは何の関係もないので、あまり期待しないほうがよいと促します。なぜなら、反腐敗運動は党が生きながらえるためであって、民衆の為ではないからです。
時事評論家 史達さん
「皆さん考え方を変えて、一度考えてみてください。民衆は反腐敗に対し、発言権があるかどうか、監督権があるかどうか、何かできる事があるかないか。私はないと思います。前回、民衆が積極的に反腐敗に参加し、ネットに実名で告発をしました。しかし、最終的な結果はどうなったのでしょうか。やはり中共に否決され、鎮圧されました。巻き添えになった人もいるでしょう」
史達さんは、共産党が腐敗暴露を通じて汚職官僚を叩いて民心を集めようとしても、すでに遅いと述べます。今の共産党の反腐敗はただの”面子プロジェクト”にすぎず、まるでオオカミ少年が”オオカミが来た!”と叫んでいるようなものだと指摘します。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)