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囚人を輸出する中国―海外の建設現場で強制労働

2010年08月16日

【新唐人2010年8月17日付ニュース】最近、カナダの日刊紙『グローブ・アンド・メール』は、「囚人を輸出する中国」との文章を掲載。インド政策研究センターのブラーマ・チェラニー(Brahma Chellaney)教授によると、中国当局は過密状態の刑務所の負担を減らし、利益を確保するため、囚人を海外に輸出しているそうです。 

文章によると、中国は毎年、処刑者と囚人の数がもっとも多い国の一つ。中国の囚人約1000人がスリランカで、中国国営企業の建設事業に従事。モルディブでも、中国当局が建設予定の住宅工事についています。
 
チェラニー教授によると、中国当局はインド洋での影響力強化のため、スリランカに目をつけています。スリランカに武器を提供する代わりに、港や道路などを建設する権利を獲得しました。
 
また、中国企業の海外事業の労働者は、ほとんど中国から呼び寄せているとも指摘。そのうち、一部の労働者は仮釈放中の囚人だそうです。囚人は、一般の中国人労働者と同じ場所に住んでいます。
 
この文章は発表後すぐ、イギリスやアメリカの大手メディアに転載されました。10日には、中国当局も反応を示しました。
 
チェラニー教授はBBCに対し、「中国は自らの決まりを守らず、囚人を発展途上国に送り込んでいること」を伝えたかったと述べました。
 
チェラニー教授は、「中国は強制労働収容所の存在や囚人の輸出を否認しているが、業者だけで数千人もの囚人を刑務所から出すことは不可能。ましてやパスポートも必要。囚人の海外輸出を指示しているのが中国政府なのは明らか」と述べました。
 
『ワシントン・ポスト』は、「中国の囚人は市場改革に代価を払う」という文章を掲載。コロンビア大学のセイモア研究員によると、中国の刑務所は1984年に約340億円の利益があったものの1994年には約15億円の赤字におちいったそうです。
 
これによると、中国司法省は2000年発表した本で、一部の刑務所の赤字がひどいことを告白。コストダウンのため、囚人に長時間労働させているほか、海外市場を開拓している刑務所もあるそうです。
 
市場経済の中国では、刑務所も独立採算制だといいます。
 
ネットの情報によると、死の収容所と呼ばれたアウシュヴィッツ収容所には、欧米やアジアなど30カ国の囚人が監禁されていたそうです。
 
新唐人記者がお送りしました。
 
 
上記のサイトから、このニュースの中国語版が見られます。

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