【新唐人2013年12月26日付ニュース】ネットユーザーがインターネットを通じて協力して、特定の事項の捜査を行う事を中国では「人肉検索」といいます。この人肉検索を通じて多くの官僚のスキャンダルが暴かれ、失脚に至ったケースも少なくありません。中国当局は最近、「人肉検索はネット上における暴力であり、断固として制止し、責任を追及する」と宣言し、世論の反発を招いています。
人肉検索によって個人情報がネットに公開された広東省の18歳の少女が、川に飛び込み、自殺した事件が発生しました。官製メディアの「環球時報」は12月17日、中国国家インターネット情報弁公室新聞協調局・劉正栄局長の話を引用し、「人肉検索は一種のネット上の暴力行為で、不道徳な違法行為である」。「悪影響を及ぼした人肉検索に対しては責任を追及する」と報道。劉局長はさらに、「人肉検索を行っているサイトを発見した場合、直ちに制止し、無責任なサイトに対しては責任を追及する」と警告しています。
これに対し、ジャーナリストの朱健国さんは、これはインターネットに対する当局の新たな抑圧であり、守っているのは権力者の利益であると述べます。
ジャーナリスト 朱健国氏
「これは後退です。汚職腐敗と官僚を守り、独裁を守る措置です。今の官僚は誰もが多くの財産、多くの不動産を持っており、検索すると探し出せるので、彼らは恐れているのです。新聞、ラジオの時代は封じ込めるだけでよかったのですが、今はネットの時代なので、お手上げです。彼らはこの独裁政権の安定を守るために、ネットを抑圧する一連の措置を採ったのです。ネット有名人を抑圧し、異見者の微博閉鎖などもその措置の一環です」
広東省の人権派弁護士・唐荊陵さんは、自殺した広東省の18歳の少女は一般民衆で確かにプライバシー保護の問題があるものの、官僚の腐敗に関する人肉検索で割り出された情報はすでに公開されている情報の一部であると指摘します。
広東省人権派弁護士 唐荊陵氏
「今よく使われている『人肉検索』とは実際は官僚の腐敗やスキャンダルに関する情報です。官僚が公衆人物なので、公民の監督下に置かれて当たり前です。人肉検索で使われている情報は、多くはネットに公開された情報で、犯罪にはなりません。これは中共の一貫した宣伝手法です。官僚の例を挙げると、民衆の支持を得られないからです。だから皆を惑わす例を挙げるのですが、でもだまされる民衆が益々少なくなり、一般人のプライバシ侵害と官僚の人肉検索は根本から違うのです」
最近、中国当局はネット上の反腐敗活動に加担した多くのネット有名人、メディアの記者、ネットユーザーを逮捕しました。例えば、事故現場で笑顔を見せた陝西省安全監督局の元局長楊達才が、多くのブランド時計を所有している事を暴露した周祿寶さんは、ゆすりの罪で逮捕されました。中国工商総局の副局長や上海の裁判官の集団買春事件を実名で報道した「新快報」の記者・劉虎さんは、「デマを造り上げ、流布した」として拘束されています。官僚が着けているブランド時計を鑑別したネット有名人「如意棒をなくした花果山の総書記」さんも警察から尋問を受けました。
中国著名詩人 作家 王蔵氏
「これは中国人への警告です。『汚職腐敗を敵対視するな』と、これほど多くの異見者や公衆運動家、官僚の財産公開を求める人を不法に拘束し、しかも状況は今さらに悪化しています。この政権の本質を余す事なく曝け出しているのです」
一方、ベテランジャーナリストの朱健国さんは、社会矛盾がすでに臨界点に達し、民衆の不満が山積みされているなか、当局のこのようなやり方は政権の崩壊を早めるだけだと指摘します。
ジャーナリスト 朱健国氏
「押さえ込むと必ず弾き返され、反発がさらに大きくなり、政権の崩壊を加速化します。爆発寸前の圧力鍋のように何をやっても無駄で、爆発するしかないのです」
中国メディアの報道によると、2008年以来、中国ではネット上で官僚の汚職腐敗を告発する現象が年を追う事に増え、当局のデータに基づくと、6割以上が事実である事が判明しました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2013/12/22/atext1028806.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)