【新唐人2014年7月19日】中国当局が先日発表した「対外援助白書」によると、2010年から2012年までの3年間の中国の対外援助総額は893億元に上りますが、うち無償援助は323億元でした。対外援助額は毎年増え続けており、アジアとアフリカが主要援助地区になっています。中国の対外援助規模はなぜ拡大を続けるのでしょうか?報道をご覧ください。
7月10日、中国国務院新聞弁公室が『中国の対外援助(2014)』白書を発行しました。白書によると、2010年から2012年の3年間、中国が行った対外援助の総額は893億4000万元でした。
2011年、中国当局が発行した最初の対外援助白書では、中国共産党政権が樹立して以来の対外援助の状況を総括しています。当時発行された白書によると、2009年末までに中国が海外に提供した援助額は2562億9000万元に達しています。
この数字から計算すれば、中国の2010年から2012年の間の対外援助額は、1949年から2009年までの60年間の3分の1以上に相当し、驚くべきスピードで増加しています。
米サウスカロライナ大学 謝田教授
「中共の経済援助は目的があり、全て政治目的です。実際は中共政権の国際社会での孤立を回避するためです」
北京時事政治ウォッチャー 華頗さん
「皆が言っていますが、中国はなぜ友達がいないのかと、『近所』に友達がいないのです。所謂『友人』は皆『飲み友達』です。中国は人権面などで自分を支持してくれる友人を維持するため、支払う代価がますます高くなっています。だからここ数年援助が多くなってきているのです」
中国が援助を行っている国は121か国あり、うち、アフリカが51カ国と大多数を占めており、アジアが30カ国を占めています。
3年の間、中国はタンザニア、ザンビア、カメルーン、スーダンなど9カ国に対し、合計16口の期限満了の無利子借款、総額14億2000万元の返済を免除しました。
政府系メディア「新京報」の5月4日付けの報道によると、中国のアフリカ諸国に対する援助は1956年から始まり、今まで行った支援は1000件を超え、さらに無償援助、無利子借款と優遇借款などの資金援助を提供しています。
では、中国がアフリカに対し、大規模な援助を行っているのはなぜでしょうか?
北京時事政治ウォッチャー 華頗さん
「中国がアフリカにした援助は表面上では善意から援助し、貧困解決の手助けに見えますが、実は自分のためで国際上で支持を得るためです。毛沢東が言いました。『中国はアフリカの黒い親戚に担がれて、国連に入った』と中共はこのように金銭で、貧しい国を使ってきました」
白書によると、アジアでは30カ国が中国の援助を受けており、最もよく知られている国はベトナム、フィリピン、北朝鮮でしょう。
香港「東方日報」の統計によると、近年、中国は周辺国家との関係改善のため、頻繁に金銭外交を展開しており、フィリピンとベトナム両国に対する援助額だけでも、合わせて6000億元に上ります。
しかし、多額の援助でもこの2国との関係が改善されることはありませんでした。今年5月、ベトナムでは大規模な反中国デモが発生し、多くの華人企業が略奪、襲撃を受け、20人以上が死亡しています。
中国当局が大量の財貨を投入しているにもかかわらず、なぜこのような悪質な事件が発生するのでしょうか?
北京時事政治ウォッチャー 華頗さん
「利益の為に結ばれた同盟は当然利益により分かれます。『君子は義に喩り、小人は利に喩る』。彼らの繋がりは正義に基づいたものではなく、利益に基づいた関係なのです。利害が一致した時は良く、一致しないときはそっぽを向き、反目し合い、がらりと態度を変えます。ベトナムとの関係でお分かりでしょう」
他国に大量の利益を送る中国のやり方について、北京の時事政治ウォッチャー、華頗(かは)さんは、中国大陸の民衆の生活が幸せならば、当局が慈善を行っても構わないが、国内の貧困人口が多く、中西部地区のように子供が就学できず、人々が病気も診てもらえないのに、外国に援助していると指摘します。アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル中国語サイトでは、中共のこの白書は近年の援助額の変化を発表していないと伝えています。一方、経済学者は、外部が行った計算では中共の実際の対外援助額は政府発表の数倍であると示しました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/07/14/a1122758.html (中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/村上 映像編集/李)