【新唐人2014年7月26日】中共公安部によると、７月22日から年末まで、海外へ逃亡した腐敗官僚を取り締まるキャンペーン「猟狐2014」を集中的に行います。しかし、海外にいる彼らを逮捕するのは容易ではなく、キャンペーンは政治ショーに過ぎないとも言われます。では報道をご覧ください。
22日、中共公安部はテレビ会議を行い、各地の公安機関が22日から年末まで、「猟狐2014」というキャンペーンを集中的に行い、海外に逃亡した経済犯罪の容疑者を逮捕することを命じました。
アメリカ在住の元歴史学教授、劉因全さんは、腐敗官僚の海外逃亡が深刻化する中、中共は取り締まりの強化を呼びかけたが、これはただのショーに過ぎないと分析します。
元歴史学教授 劉因全氏
「中共は逃亡した腐敗官僚、特に犯罪の容疑者を国内の戻し、持ち逃げした金を取り戻そうとしています。しかし、簡単にはいきません。彼らは海外に来て、不正に築いた資産で贅沢三昧をしています」
劉因全さんによると、中共は海外に逃亡した官僚の引き渡しや送還、海外での追訴や帰国勧告を検討していますが、中国が引き渡し条約を結んでいる国は36か国しかありません。ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなどの先進国とは条約を結んでいないため、それらの国にいる官僚の逮捕は極めて困難です。
報道によると、過去10年でアメリカから送還された腐敗官僚の案件は２つにとどまります。
カナダのトロント市に住む華僑、梁詠春さんも、多くの腐敗官僚が欧米に逃亡したが、彼らは中国で築いた不当な資産で、ぜいたくな暮らしをしているといいます。
カナダ･トロント市の華僑 梁詠春さん
「腐敗官僚は中国国内にとどまれば、政治闘争に負けて、資産や我が身が侵される危険が常にあります。たとえ逮捕されなくても、国内には環境汚染や食品の安全問題、医療問題などがあります」
中国社会科学院が2011年に発表した調査報告書によると、1990年代中頃から、海外へ逃亡、あるいは失踪した官僚は１万8000人を超え、持ち逃げされた資産は8000億元に上ります。
今年２月に社会科学院から発表された「法治白書」は、「2014年、腐敗官僚が海外に逃亡する現象はいっそう深刻化し、特にすでに家族や資産を海外に移した官僚は、逃亡する可能性が高い」と指摘しています。
官製メディアの「人民日報」は５月、「腐敗撲滅が強く推し進められる中」、一部の「問題の官僚」が、「親戚訪問や病気治療、休暇などの口実で、出国してから突然、連絡を絶ったり、ひいては海外視察のさなかに失踪したりしている」と指摘しました。一方、逃亡する官僚の多くが金融、財政、税務、交通、国土などの部門に属しているため、資産が膨大で、「1000万元、ひいては１億元」にも上るそうです。
国際的な腐敗撲滅組織「透明国際」のアジア太平洋地区の主任、廖然さんは、逃亡する官僚の大多数は計画的だと述べます。
｢透明国際｣ 廖然さん
「腐敗官僚の多くがまず妻と子供を出国させます。あるいは海外に投資します。政府は企業の海外進出を促していますが、これを利用し、多くの国営企業は個人的な資産も海外に移しています。腐敗官僚はこうして逃げるのです」
海外に逃亡する腐敗官僚を本気で取り締まりたいなら、金融の監督を強めるほか、持ち逃げされたお金の海外流出を防ぐべきだと廖然さんは指摘します。
今年初め、中央紀律委員会の王岐山はある会議で、持ち逃げされた金を取り戻して、海外逃亡を企む腐敗官僚を威嚇せよと訴えました。３月、最高検察院が「持ち逃げされた金を取り戻す通知」を出すと、５月には、中央紀律委員会が、最高裁判所、最高検察院など８つの中央の部門も参加する、座談会を開きました。
５月６日、世界最大のオフショア金融センターのスイスは、外国人口座の詳しい資料を他国に提供すると約束しました。スイスはまた、中国など40か国以上と海外口座の情報共有と税務に関する取り決めに署名したと宣言しました。
今年１月、アメリカ･ワシントンに本部がある国際調査記者同盟（ICIJ）の報告書によると、中共の現任および前任の政治局常務委員が持つオフショア口座は、世界を驚愕させるほどだそうです。
数年前、ウィキリークスは、スイスの銀行にある中共の高官の口座はおよそ5000に上り、そのうち３分の２は、中央レベルの大物だと暴露しました。副首相、銀行の頭取、大臣から中央委員まで、ほとんど全員が口座を持っています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/07/24/a1125102.html（中国語）
（翻訳/河合 ナレーター/佐藤 映像編集/李）
