【新唐人2014年10月15日】中共の官製メディア「人民日報」は11日、民主化を求める香港の雨傘運動を「動乱」であると非難しました。すでに2週間以上続いているこの運動をどのように収束させるのか、国際社会が注目しています。専門家は、北京上層部の内部争いが香港の情勢をさらに複雑化していると指摘します。
香港の雨傘運動はすでに2週間以上過ぎました。街頭で野宿を続けるデモ参加者は、「家が恋しい」と本音をこぼします。しかし、結果が出ない限り、続けていくと意気込みを見せています。
周辺の店などに影響が出ているのも否めない事実です。しかし、当局が対話を引き延ばすのは、まさに市民の忍耐力を消耗させるためだと言われています。この危機を乗り越える最も有効な方法が、政府と学生との対話であると考えられています。
しかし、対話は2度も中断されました。
1回目は10月2日。香港政府から学生に対話を持ちかけましたが、翌日午後、マフィア勢力がデモ参加者に激しい暴力を振るいました。そのうえ、現場の警察は市民を守るどころか、マフィアを庇っていました。政府の卑劣な手段に憤りを感じた学生側が、政府との対話を拒みました。
2回目は10月9日。翌日に対話が予定されていましたが、香港政府が突然一方的に取り消すと発表しました。外界からは香港政府に対話の誠意がないのではと疑われました。
香港誌「動向」 張偉国編集長
「香港政府の中には誠意がある人もいるでしょう。香港政府は一枚岩のように見えても、実際は多くの派閥があります。中には江沢民派もいるし、習近平派もいるので、対話をしたい人と油を注ぎたい人など意見が割れるのです」
中国の歴史学者、章立凡(しょうりつぼん)さんは、実は今、香港と北京で同時に闘いが展開されており、香港では政府と民間、北京では党内部の派閥の争いが行われていると指摘します。習近平の反腐敗運動が多くの人の利益に触れたため、反対派は香港で事件が起きるのを望んでいると話します。
中国問題専門家 文昭さん
「中共の特徴は一旦大規模鎮圧が現れると、まず、風向きがすぐ左に変わります。次に、党内の『団結』を強調し、粛清を停止します。反対派は習近平の手に血をつくのを望んでおり、上層部の反腐敗に歯止めがかかるのを望み、その隙に息継ぎをしたいのです」
香港では4か月足らずの間に3つの大きな事件が発生し、市民の怒りを招きました。今年6月、香港の民主主義を制限する「香港白書」が香港市民の強烈な怒りを買いました。8月、「セントラル占拠に反対するデモ」が行われましたが、デモ参加者は中共寄りの団体からお金で雇われた事がメディアの報道で明らかになりました。
10月、平和的に抗議を続ける市民と学生に対し、マフィア勢力が暴力を振るいましたが、中共国家安全部門が雇ったマフィアである事が明らかになりました。これらの事が暴露されると、毎回、より多くの市民が街頭に出て、デモの行列に参加しました。
では、これらの事件を背後で操っている魔手は一体どこから伸びているのでしょうか。また、目下の膠着した局面をどのように打開するのでしょうか。香港の学生らは、問題の解決を望む公開状を習近平主席に宛てました。
一方、中国問題に詳しい専門家は、香港は江沢民派の勢力範囲であるため、徹底的に江沢民派を粛清しないと、香港の混乱はずっと続くと考えています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/10/14/a1145947.html(中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/佐藤 映像編集/李)