【新唐人2014年11月01日】2000年から2011年の間、海外で臓器移植を受けた台湾人患者のうち、9割が中国で受けています。数千万円という大金と、出所の不明な臓器、術後の感染症などのリスクを冒しながらも、患者たちは中国での臓器移植の道を選んでいます。我々は中国で移植を受けた台湾人患者の家族に独占インタビューを行い、中国での臓器移植および術後の状況について伺いました。
中国で移植を受けた台湾人患者家族
「最初に接触したのは『李』という医師で、臓器移植外来診察部の主任でした。当日に入院するよう言われ、それから一連の検査が始まりました」
高齢の肝硬変患者Aさんは、中国で働く台湾人企業家に依頼して臓器移植に関する情報を集めました。そして2012年9月の初め、一般出国の形で中国に渡り、天津第一センター病院で、肝臓と腎臓の同時移植を受けました。
中国で移植を受けた台湾人患者家族
「当初は肝臓移植の予定でしたが医師に言われました。『後から腎臓も移植するのであれば、一度にやってしまったほうがいい』と」
まるで車の部品交換であるかのように、医師は患者に肝臓と腎臓の同時移植を薦めました。台湾では、同時に移植できる肝臓と腎臓のドナーを探すのはとうてい不可能ですが、Aさんは中国の病院で、わずか1か月で適合するドナーが見つかったと知らされます。
中国で移植を受けた台湾人患者家族
「あの医師(外科主任)に会ってから手術できるドナーが見つかるまで、1か月ちょっとかかりました。詳しくはわかりませんが、データバンクがすでにあるので、ドナーが現れると、適合するかどうかすぐわかるのです」
Aさんのケースは決して最速のケースではありませんでした。Aさんの家族によると、診察から1週間で手術を受けた患者もいたそうです。
報道によると、中国には年間246例の肝臓移植手術をこなした医師がいます。また、48時間以内に腎臓移植を2回受けた患者もいるそうです。不思議なほど、短時間でドナーが見つかるため、ここ10年、多くの国では「中国臓器移植ツアー」が盛んでした。
中国で移植を受けた台湾人患者家族
「外国人もいました国籍は確認していませんが、病棟の10階に『国際特区』があり、出入りは厳しく制限されています。特殊背景を持つ人が入院していたでしょう。私の推測ですが」
中国の病院は、まるで臓器を販売する闇のスーパーマーケットのようです。値札がつけられた新鮮な肝臓や腎臓が並べられ、患者はお金さえ払えば、希望の臓器を買うことができるのです。
中国で移植を受けた台湾人患者家族
「外科チームが6〜7つありました。医者は数十人いたと思います。手術室はビルの最上階にありました。私は上がったことありません。彼らがいつ手術するのかもわかりません。私の記憶では午後4時に入り、出た時間ははっきり覚えていませんが、早朝2〜3時頃だったと思います」
Aさんの手術も他の移植患者同様、秘密裏に行われました。病院側が提供する情報はごく限られたもので、家族に提示された各種資料や書類もあやふやだったといいます。
中国で移植を受けた台湾人患者家族
「向こうに行って、帰ってくるまで約3か月かかりました。費用は細かい支出は省いて、約1500万台湾ドル(5530万円)かかりました」
およそ5500万円という大金をはたいて受けた臓器移植。しかし、術後のAさんはずっと感染症に苦しんでいるというのです。
中国で移植を受けた台湾人患者家族
「感染や腎臓が機能していない、精神的な要素などが原因で、手術から2か月後も集中治療室にいました」
台湾に戻って治療を受け続けていたAさんは、一度は状態が安定したように見えましたが、手術から1か月後、脳卒中になり、意識が戻らないままです。台湾の医師の診断では、細菌による感染が原因だそうです。5千万円の大金で健康を手に入れるはずが、重度の感染を招く結果となりました。
出所の不明な臓器の売買、医学倫理の放棄。近年、発展を続けている中国の臓器移植産業の背後には、暴利を貪るための黒幕が存在していることが徐々に明るみになってきています。中国の臓器乱用問題は患者やその家族、医学界だけでなく、全人類の道徳と良識を試す試金石なのかも知れません。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/10/30/a1149840.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/李)