【新唐人2015年04月14日】中共当局は現在、「大砲」と呼ばれる新しいサイバー兵器で情報の監視、傍受、ウイルスの発信をしていると海外の研究員が発表しました。しかもこのサイバー兵器は、中国のサイトにアクセスしたパソコンを媒介にして他のパソコンを攻撃したり、情報を改ざんしたりすることさえできるといいます。
4月10日、アメリカ・カリフォルニア州大学バークレー校とカナダ・トロント大学の研究員が合同で報告書を発表しました。報告書によると、中共は先月、「大砲」という新しいサイバー兵器でアメリカのウェブサイトに対し、サイバー攻撃を行ったそうです。
報告書を発表した研究員によると、この「大砲」によって、中国のサイトにアクセスしたユーザーだけでなく、中国の広告が掲載された海外のサイトにアクセスしたユーザーも、情報を盗み見られる可能性があります。しかも「大砲」はユーザーのパソコンに、悪意のあるコードを植え付け、そこから特定のサイトやパソコンを攻撃させると言います。
最近、このシステムが応用されたことが確認されています。百度(バイドゥー)のサイトや広告へアクセスしようとしたユーザーのトラフィックがアメリカの人気サイト、GitHub(ギットハブ)や中国のネット検閲を監視するGreatFire.org(グレートファイア オーガ)などに転送されました。
グーグルのエンジニア、スティーブ・リーさんは「大砲」について、グレート・ファイアウォールと呼ばれる中共のネット検閲システムとは違うと指摘しました。グレート・ファイアウォールは当局のルーターを通った情報だけを監視し、他の情報を加えてアクセスを妨害します。しかし、新たなサイバー兵器の「大砲」は、グレート・ファイアウォールよりもさらにグレードアップし、情報を改ざんしてから転送します。
そうなると、中共はユーザーのパソコンを乗っ取って操ったり、中国のサイトを訪れたユーザーのパソコンを盗み見たりすることができるだけでなく、ユーザーのパソコンをウイルスに感染させて他のシステムを攻撃することも可能です。何よりも情報を改ざんできるので、ユーザーは偽の情報を受け取ることもあり得ます。
グーグルのエンジニア スティーブ・リーさん
「中共はルーターだけでなく、コンピューターの使用権限システムも制御しています。その中間で情報の改ざんも可能です」
リーさんはこの技術について、莫大な開発資金が必要な上、攻撃性があるため、安全で迅速に情報を提供しようとする研究開発企業にとっては何の意味もないと指摘しました。加えて民間企業にはルーターの制御権もないので、理論だけにとどまっています。
今回の報告書は「大砲」について、国のレベルで情報をコントロールするという重大な意味があると分析しています。公に広くサーバー兵器を利用して検閲を行うことになります。
報告書によれば、「大砲」は新しいサイバー兵器ですが、アメリカの情報機関・CIAやイギリス政府の通信本部が使っているネット監視制御技術に似ています。しかしアメリカのCIAはこの種の技術をテロの監視に使っているのに対して、中共はこの技術をネットの内容検閲に使おうとしています。
グーグルのエンジニア スティーブ・リーさん
「政府は本来信頼されるべきです。しかしルーターの制御権があることを利用して、大規模に検閲するなど、サイバー空間を大きく破壊します。誰もがネットを信用できなくなります」
世界情報自由ネットの創始者、張新宇(ちょう しんう)さんは、かつて中共当局に雇われ、中共の軍隊にコンピューターの技術を伝授していました。張さんによると、ネット技術が現れると、中共はすぐに中国でトップレベルのコンピューター専門家を配置転換し、深センで情報傍受をさせたほか、軍隊のサイバー攻撃コンテストを開催しました。
世界情報自由ネット創始者 張新宇さん
「間違った情報や捏造された情報、偏った情報が中国人に植え付けられ、愚民が創り出されました。共産党は愚民なくして、生存できません。もし庶民が欧米のように、全面的な情報を得られると思考は正しくなり、現実的になります」
張さんによると、マイクロソフトがコンピューターの監視技術を開発したのは、学生が授業中にゲームで遊ばないように教師が監視するためでした。しかし、この技術が中共に利用されると、恐ろしいサイバー兵器になりました。しかし張さんとリーさんは、アメリカがすぐに中共のサイバー攻撃を食い止める新たな技術を開発すると信じています。
インテルで働いているエンジニア、秦(しん)さんの話によると、中共に対する不信感から、インテルの重要部門は中国から直接来た中国人を採用しないそうです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2015/04/13/a1190458.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/水田 映像編集/李)