【新唐人2015年11月7日付ニュース】
香港の『争鳴』雑誌の報道によると、10月下旬に開かれた中国共産党中央紀律委員会第52回常務委員会で、王岐山は就任三年来、元の政治局常務委員が彼に与えた圧力と威嚇を公開したという。王氏は、「2012年12月の就任以来、私が受け取った各領域、各部門からの意見書や手紙は700余りに達している。そのかなりの部分は党内上層部と元の政治局常務委員からのもので、これらの意見書や手紙はかつて私を惑わし、今になっても理解しがたく、納得できないものである。」と心境を語った。
報道は、王氏の言及した、理解しがたい、納得できない意見書や手紙の多くが江沢民、曾慶紅と李長春などからのものだと明らかにした。特に、江沢民がよく曾慶紅と李長春を通して王岐山に伝言を伝え、内容の多くは反腐敗に歯止めをかけるものであった。中に、昔、制定した政策の一部は当初の客観的環境と内外情勢を考慮して制定したもので、しかも、若干の政策は政治局の検討を経て定めたものであり、一部のものは当時の環境の中で正常で許されるものであることを王氏に 考慮してもらう内容のものであったという。また、王氏が国民の感情、世論と賛美に惑わされないよう、反腐敗の拡大を防ぎ、合わせて内外の敵対勢力に利用されないようにと忠告したものもあったそうだ。情報筋によると、2013年18期3中全会の前に、曾慶紅、李長春、回良玉と劉淇などは王岐山の家を訪ね、反腐敗に歯止めをかけるように勧めたことがあるという。
報道は、王氏が就任以来、4千枚余りの恐喝の手紙と毒物の入った郵便物を受け取ったことがあり、今まで摘発した12件グループ犯罪は、王氏を暗殺する事件で、その黒幕のほとんどが官界と上層部の人物の子供です。現在、王氏の安全が上層部の最重点となっており、王氏は、外地を巡回する際に常に防弾ジープの配備と防弾・防燃の肌着の着用などの特別の安全対策が講じられるという。
先般、香港『前哨』雑誌4月号の報道によると、徐才厚と周永康が秘密に監禁された後、李長春と曾慶紅が恐れ慌て、二人が監禁される噂が流れ、江沢民が慌てて、王氏に手紙を寄せ、反腐敗に歯止めをかけるように要求した。手紙の内容は、①中央紀律委員会が現在、噂に頼って反腐敗を進めており、ひいては香港の反動新 聞の暴露した情報を手掛かりとしている、②西方自由化勢力が動き出しており、反腐敗を利用して前ソ連崩壊の政治効果を狙っている、③一部の老幹部のイメージが壊され、三峡ダムの腐敗を調査することは年長の虎を調査することになり、これは私個人が受け入れられないものである、の3点に絞ったものであった。
王氏は江沢民の手紙を無視しただけでなく、その手紙を中国共産党中央書記処に渡し、しかも中国共産党常務委員会に公開した。
北戴河会議後では江沢民の影響を排除することが中国政治の新動向となっており、特に6月の株価暴落の発生後、黒幕を調査した結果、中国信託証券を代表とする江沢民系の金融勢力が浮上した。“金融クーデター”は江沢民の切り札とされている。中央巡回調査組は、9月29日の農業銀行会議で、10月から巡回調査組が工商、農業、中国と建設の四大国有銀行に立入り調査を行うと公表した。また、10月21日の大陸のマスコミは、中央巡回調査組が10月末から金融機構の核心部門の中国人民銀行、中国銀行行監督管理委員会、中国証券監督管理委員会と中国保険監督管理委員会に立入り調査を行うと報道した。
今回の中央巡回調査組の動きは江沢民陣営の経済領域の切り札を叩き潰すための行動だとみられ、江沢民陣営の大物に触れることになると考えられる。王岐山がこの時期を選んで反腐敗を阻止しようとする江沢民などの手紙を公開するのは公開対決の意味合いが非常に大きい。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2015/11/03/a1233431.html (中国語)
(翻訳/張陽)
注:王岐山(おう きざん)政治家
第2次温家宝内閣で国務院副総理を務め、現在は第18期中国共産党中央政治局常務委員、中国共産党中央規律検査委員会書記を務める。