【新唐人2015年12月7日付ニュース】
軍のトップ就任をすると、軍隊中に権威を樹立するのは中共指導者の急務であることは中共の歴史上の経験である。毛沢東時代には、中国を数個の軍区に分け、不定期的に軍区司令官を入れ替えたりし、鄧小平の時代になると、華国鋒から軍権を奪い取るためにベトナム戦争を起こすことを惜しまずにしたりした。また、毛沢東は、軍閥割拠を防ぐため、1995年までの6大軍区を11軍区に分け直した。1985年、同様な理由で、鄧小平は11軍区を7大軍区に分け直し、しかも兵力を100万削減した。これによって、鄧小平の軍隊への支配力を強めた。
江沢民時代になると、腐敗や賄賂を用いて軍を治めていた。江沢民の軍内の腹心である郭伯雄と徐才厚は、軍内の官職を売買することによって大量の腹心を軍内の重要なポストに配置した。胡錦濤時代になると、胡錦濤が下した指示や通達が郭、徐両氏を通さないと下へ伝えていけない形となり、胡錦濤の軍委主席のポストは飾り物となっていた。胡錦濤はこれに対して大いに不満を覚え、江沢民派の傀儡になりたくなかったため、結局、軍委に行かなくなった。以下の二つの例から、胡錦濤が軍内で実権を持っていなかった実情を伺うことができる。2007年1月、中共軍が対衛星兵器の実験に成功し、アメリカがこれに注目したが、同年、胡錦濤がアメリカ政府の高官を接待した際、この実験のことを聞かれたが、胡錦濤はなんと何も知らなかった。また、2011年1月、中国軍部はアメリカの国防部長のロバート・ゲーツが訪中した際にJ20隠形戦闘機の試験飛行を行ったが、ゲーツに聞かれた胡錦濤はなんと初耳だと言った。
江沢民派に牽制されたくないならば、郭、徐両氏を失脚させなければならない。これは、習近平が軍のトップ就任をして以来、軍内で最初にやったことである。しかしながら、郭、徐両氏は長年にわたって軍を経営していたため、手先が軍内のいたるところに実権を持っている。その現状を打破するために、より大規模の反腐敗を起こさなければならない。そうすると、より大きな反発を招きかねない。これらの手先はもともと利益に左右される者なので、郭、徐両氏の失脚と共に彼らはもはやびくびくして逃げ道を探っている。「窮鼠猫をかむ」ことを避けるために兵力を削減するという名義で彼らの権力を奪い、その後、清算するというのは習近平陣営の策略であろう。このやり方であれば、コストが最も小さくて済む。習近平がこれから行う軍隊改革が軍に権威を樹立し直す措置との見方は、より正確であろう。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2015/12/01/a1238903.html (中国語)
(翻訳/張陽)