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後退を続ける中国の報道の自由

2011年05月08日

 

 【新唐人日本2011年5月9日付ニュース】5月3日は“世界報道の自由の日”。中国の報道自由ランキングは178か国のうち171位。最近は異見者への締め付けが一段と強化され、ジャーナリストの境遇も注目されるところです。根本的な原因はどこにあるのでしょうか。

 
4月28日、雑誌“財経”の23歳の記者張賈龍さんが当局に呼び出されたまま、行方不明。かつて艾未未さんや毒ミルク事件の被害者の事を報道。
 
艾未未さんが当局に拘束された4月3日、同じくかつて艾さんを報道した記者・文涛さんも失踪。
 
中国記者 文涛:
「艾さんの活動には、ほとんど参加して記録しています。私は自分が観察した艾さんのことをTwitterに載せ、艾さんの人柄ややっている事をみんなに伝えました」
 
世界報道の自由の日、潘基文国連事務総長はこのように述べました。“人権侵害の責任を放置してはならない。国家は全力を尽くして、記者の安全を守るべきだ。我々の知る権利を守るため、命を犠牲にした記者を忘れてはならない”。
 
毎年5月3日、ユネスコは、報道の自由のために貢献したジャーナリストや団体に“世界自由報道賞”を授与。中国人としては、高瑜さんと程益中さんがこの賞に輝きました。
 
高瑜さんは“経済学週報”の元副編集長。当局に2度拘束され、6年間自由を奪われました。1997年獄中で受賞。
 
程益中さんは、“南方都市報”の元編集長。2003年のSARSの真相などを報道。2004年汚職の疑いで提訴され、その後撤回されるも、辞職に追い込まれました。
 
ジャーナリスト 高瑜:
「20年前の天安門事件後 、2度自由を失った私と比べ、状況は更に後退しています。思想と文化の領域において、制限が厳しく、報道の自由はほとんどありません」
 
1993年、国連は5月3日を世界報道の自由デーと定め、報道の自由への尊重を呼びかけました。
 
「中国海洋報」の元記者・昝愛宗さんは、5月3日、論評を発表。“中国で報道の自由を呼びかけること自体、大きなニュースだ”と皮肉りました。昝さんはかつてキリスト教信者への迫害を報道し、当局に7日間拘束されました。
 
“国境なき記者団”が発表した2010年世界報道自由ランキングによると、中国は後ろから8番目。前年度より更に後退し、世界で最も自由のない国の一つです。
 
ジャーナリスト 高瑜:
「安定維持のための締め付けは、街頭革命を防ぐためではない、それは結果です。当局の手段で最も重要なのが、思想の自由の制限、報道の自由の制限です。人々が報道の自由を獲得すると、一党独裁はおしまいです」
 
中国のネットユーザーは4億人に上るといわれています。昝さんは、情報があふれるインターネットの世界で、中央宣伝部がすべての情報を検閲するのは無理だと指摘します。いかなる敏感なキーワードでも極限性があり、情報を完全に封鎖するのは不可能だといいます。
新唐人テレビがお伝えしました。
 
(中国語)
 

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