【新唐人2016年2月11日付ニュース】
中央紀律委員会の内部刊行文から、反腐敗の焦点は政治問題と腐敗問題が絡んでいる「トラ」だと解釈できます。分析によると、多くの兆候は、習近平当局による江沢民狙いの反腐敗「トラ」叩きは、経済レベルから政治レベルに上がり、政治的罪名は腐敗罪よりも深刻です。
2月2日、中国共産党メディア『人民ネット』が、雑誌『中国紀律検査と監察』で1月30日に発表された中央紀律委員会の反腐敗の展開記事を転載しました。この「腐敗の処罰は緩まず堅持する」と題する記事は、2016年の「腐敗処罰の焦点」は中央紀律委員会第六回全会の報告にある3点を指しています。1つは、中国共産党18回代表大会後も反省せず、改めない者;2つは、問題が深刻で、民衆の反発を強めた者;3つは、現在も重要なポストにいて、抜擢される可能性のある官僚です。
記事では、中央紀律委員会第五回全会の報告書に比べ、上に述べた「深刻な問題」は新しく提起されたものです。では、何が「深刻な問題」でしょうか。それは、習近平氏のスピーチの、「政治紀律違反問題は直面する重要な問題である」、「特に政治と経済の結合した問題は最も深刻な害が大きい問題である」から読み取れます。
記事は、昨年の「トラ」叩きリストを取り上げ、多くの官僚は「政治問題と腐敗問題の絡んだ、政治的目的のための経済腐敗」であり、これらの「トラ」はさらなる利益を獲得し、より大きい政治権利を求め、グループや派閥を作り、「国家政治の安全」を脅かしていると記事は指摘しています。
米コロンビア大学政治学博士李天笑(り てんしょう)氏
「私が思うには、この説明こそが反腐敗の実質的内容を提出しています。中国共産党の政治的公式表現を使い、この表現のルールで話していますが、その意味は今の腐敗分子や腐敗した集団の背後に、実質な政治集団を組織し、政治的陰謀を画策し、習近平政権に対しクーデターを実行しようとしているということです」
記事では、周永康(しゅう えいこう)や令計劃(れい けいかく)などの「法律と規律に違反」した調査処分は「重大な政治リスク」を取り除いた、と同時に他の中国共産党の高官たちに政治規律と政治規則を第一位に置くようにと警告したと言います。
記事は、2016年は、各級の規律検査機関はさらに「派閥を作る、私利私欲のためのグループ運営、団体同士の利益共用など」の問題に目を光らせると分析しています。
米コロンビア大学政治学博士、時事評論家李天笑氏によると、中央紀律委員会の内部刊行文から、明らかに習近平当局の次の「トラ」叩きの方針の変化が見られると考えています。
李天笑氏
「今年初めの『トラ』は北京市副市長呂錫文(ろ きぶん)です。彼女の最初の罪名は『厳重な規律と規則違反』となっています。『賄賂を受け取る』は最後になっています。これも今年の『トラ』叩きの方向、方法が変わった明らかな信号です。以前は反腐敗を利用して、江沢民派閥の粛清を行いました。今年は反腐敗の形を取りながら、江沢民派に対して政治的な罪を追及しようとしています」
李天笑氏は、「以前、習近平氏は『反腐敗』を利用し、江沢民派閥に対して『経済問題』のある官僚を粛清したが、最近の多くの兆候から、これから政治的罪名を利用して江沢民派閥の核心的な罪を暴きたいのだ」と分析しました。
李天笑氏
「習近平氏の今年の新書では、規律問題と規則問題を最初に提起しました。それから太上皇(たいじょうこう)(注:退位した存命の皇帝に送られる尊号のこと)丹書鉄券(たんしょてつけん)(注:古代の死罪を逃れられる証明書のこと)鉄帽子王(てつぼうしおう)(注:清朝の世襲制度の一つで爵位を落とさず世襲できる親王)など使い、最近の「習核心」(しゅうかくしん)(習近平を中心とする党の指導グループ)の問題などをつないで考えるとわかってきます。すなわち、これは江沢民派の犯罪事実の核心部分に近づいて、どんどん明るみに出していくということです」
李天笑氏は、「トラ」叩きが経済レベルから政治レベルに変わることも、江沢民派閥の犯罪を暴くことも、全部最後の江沢民(こう たくみん)氏と曾慶紅(ぞう けいこう)氏を逮捕するための前哨戦だと考えています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/02/06/a1251306.html (中国語)
(翻訳/小松 ナレーター/藤坂 映像編集/李)