【新唐人2016年2月2日付ニュース】
2016年になって、「習核心」(習近平を中心とする党の指導グループ)は中国の政治のホットワードになっています。習近平当局は、少なくとも6回「核心意識」を強調し、中国の省や都市の官僚も忠誠心を示し、「習核心」を擁護することを表明しています。「習核心」という言葉の出現も、また、外部の解釈を巻き起こしています。
今年の1月、政府メディア『人民日報』が「強い核心指導部を鋳る」という文章を発表してから、中国ではすでに10の省と市がこれに追随することを表明しています。湖北(こほく)省、四川(しせん)省、安徽(あんき)省、陝西(せんせい)省の各地方新聞によると、省の高官が各省の常務委員会で「習核心」という言葉を使い始め、「核心指導グループ」を擁護すると表明しました。
1月27日、中央弁公庁主任、中央書記処書記栗戦書(り せんしょ)が、中央宣伝部、中央組織部、中央規律検査委員会など中央の直属部門に「核心意識を強め」、終始、習近平当局と同じラインにいる意識を強調しました。1月29日、習近平は、政治局会議を主催し、これを再強調しました。
確認すると、「核心」という言葉は、中国共産党前指導者である鄧小平(とう しょうへい)と江沢民(こう たくみん)が使用していましたが、胡錦濤(こ きんとう)政権時には消えました。数年後の今、再び「核心」が習近平とともに、強調されながら出現しているいことが、注目を浴びています。
時事コメンテーター藍述(らん しゅう)氏
「江沢民以後、『核心』は無くなった。なぜなら、胡錦濤時代の『核心地位』は江沢民の承認が得られなかったからです。現在の『習核心』は、江沢民からではなく、下から上に、各省の上層部から出てきたのです。いずれにせよ、『習核心』と『江核心』は19回人民代表大会の前に、死闘が繰り広げられ、中国の政治を完全に変えてしまうことは疑う余地がありません」
一部のメディアは、「1つの山にトラは2匹いらない」と表現し、「習核心」の登場は「江核心」の終焉を意味していると言います。
コロンビア大学で政治学博士李天笑(り てんしょう)氏は、習近平は「トラ叩き」の反腐敗運動中に個人の権威を蓄え、いま政府メディアの「習核心」の集中的宣伝は、習近平の次の重要な一手のための準備だと考えています。
李天笑氏
「これは間違いなく、重要な行動のための信号であり、現在では、多くの人が習近平は集権的だと言いますが、実際はそうではない。習近平はほぼ全権力を握り、次は下の官僚たちに合図を出して、江沢民逮捕に実行を移すことです」
李天笑氏は、中国の多くの省の高官の意思表明の状況から見ると、習近平は「習核心」の確立を利用し、中国当局の幹部達に選択のチャンスを与えていると指摘しています。
李天笑氏
「江沢民逮捕の最後の時に、下の官僚達に自分の側に立たせるために修正するチャンスを与えている。この合図は、江沢民に追随する者や、政治局や宣伝関係あるいは司法部門に今いる人たちに、『今から行動に移しますよ、あなたたちはどうしますか?』と警告を出しているのと同じ意味を持っています」
コメンテーター夏小強(か しょうきょう)氏のコメントについて、「前党首を処分するのは、中国共産党政権以来なかったことで、国内外に大きな波紋を広げるでしょう。未来の中国の社会にも大きな影響をもたらすことになります。いま『習核心』の提起は、中国当局の上層部から下層部までの輿論準備に過ぎず、江沢民に対して重要な動きを起こす前の総動員です」と『大紀元』は引用しました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/02/01/a1250200.html (中国語)
(翻訳/小松)