【新唐人2011年8月1日付ニュース】中国浙江省温州市で起こった高速鉄道事故は、政治の中枢にまで影響し始めています。中央政府は7月26日、突如、鉄道省の大臣を北京へ呼び戻しました。これについて、胡錦涛や温家宝はこの機に、江沢民一派が築いた鉄道省独立腐敗王国の一掃に着手すると言われています。
事故の後、当局は早々と「事故原因は落雷だ」と発表。しかも生存者救出の可能性が急速に下がると言われる、72時間の3分の1も過ぎていない時点で、事故車両を壊し、埋め始めました。
香港メディアは、「鉄道の手抜き工事を天災のせいにした」と中国当局を批判。一方、当局は各メディアに対し、記者を現場に派遣しないよう要請したほか、事故を反省する内容も伝えないよう求めました。
26日、事故の死者数について、共産党系のサイトは39人だと伝えたものの、上海のテレビ局は63人だと報道。ある目撃者は200人ほどだと述べました。
中国の高速鉄道は、総工費で三峡ダムを上回ったため、鉄道省の負債総額は2008年の8000億元から2010年には1兆9,000億元にまで急増しました。
米コロンビア大学 李天笑・政治学博士:「これは共産党政権を支えるための面子事業です。そんな狙いがあったので、速度世界一にこだわりました。こんな動機だったから安全策が軽視され、またリスクを分かっていても早く完成させたい一心で、完全に無視しました」
当局は24日、上海鉄道局の局長などを解任。しかしその後任、安路生氏は、2008年、72人が死亡した事故を受けて解任された人物です。
この人事に対し、「中国人は当局のなすがままにされている」とネットには怒りの声があふれました。さらに、鉄道省の大臣の退任を求める声も高まっています。
鉄道省の盛光祖大臣は2008年、税関のトップに就任した際、江沢民のいとこの息子だとのうわさが流れました。今年2月、汚職で失脚した劉志軍の後を継ぎました。
中国和平民主連盟 唐柏橋主席:「今回失脚した鉄道省大臣は江沢民の流れをくみます。だからこんな事故が起きれば誰かが身代わりになって、権力闘争に影響します」
巨大な財政を握る鉄道省。かつて自らの警察、通信、病院、学校などを持ち、「鉄道独立王国」と言われていました。
鉄道省の元大臣、劉志軍は96年に鉄道省の副大臣になり、2002年、江沢民に鉄道省党書記に抜擢されたあと、2003年、鉄道省大臣に就任。江沢民が専用列車で各地を視察する際、劉志軍は毎回お供をしたそうです。
2006年、劉志軍の弟は、マフィアに殺人を依頼したとして、執行猶予付きの死刑になります。弟の家からは、チケットの転売で得た巨額の札束が発見されました。
2008年、劉志軍は江沢民一派の勢力を借りて、当時、改革に動いていた現在の副首相、李克強をけ落としました。
ネットの情報によると、劉志軍の在任期間中、鉄道省の汚職総額は、リベートや公金横領、鉄道チケットの転売などで600億元、日本円で7000億円を超えていたそうです。
劉志軍はかつて、20億元で副首相の座を買おうと企んでいたそうです。さらに雑誌「新世紀」は、劉志軍の愛人について、女優を含め、二けたにも上ると報道しました。
ほかにも「中国高速鉄道の技術の基礎を築いた」といわれる鉄道省の元高官、張曙光は、海外に28億ドルもの貯蓄を移転しました。
香港の新聞「東方日報」は、鉄道省について、利害が複雑に絡み合っていると指摘。事故の調査と善後処理の肝心な時期に、当局が鉄道省の大臣を北京に呼び戻したのには、これを機に鉄道省の大幅な再編をする狙いがあると伝えました。
新唐人テレビがお伝えしました。
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