【新唐人2016年9月30日】
北朝鮮は近年、なりふり構わず核実験を強行し、国際社会からの厳しい批判と制裁を受けている。北朝鮮の核兵器開発の資金や技術、材料がどこから来るのか、各国政府が追及に当たる中、中国遼寧省の女性実業家、馬暁紅が、経営する鴻祥実業集団を通じて北朝鮮に核兵器製造に必要な材料を輸出しているほか、海外に置いた数十社のダミー会社を使って北朝鮮のために資金洗浄とドルの輸送を行っていたことが発覚した。
国内外のメディアが馬の背後にいる黒幕探しに躍起となっている中、アリババグループ創設者のジャック・マーに買収された香港紙『南華早報』が、「(北朝鮮への)制裁に水を差した馬暁紅 意図せずして北朝鮮の核ゲームに巻き込まれたのか」と題する記事を掲載した。記事では、馬は「政治よりもカネに興味がある」との事情を知る者の話を引用し、馬と政治的なつながりを否定した。
ビジネス界の馬の知人は、馬が無理やり核兵器開発原料の密輸に巻き込まれたとの見方を示した。
この知人によると、北朝鮮側は長年累積していた馬の会社への借金約3000万ドルの支払いを拒否し、「支払いを再三に渡って求める馬暁紅に、北朝鮮が酸化アルミニウムなどの化学製品の輸出を持ちかけた」と言う。
英紙『フィナンシャルタイムズ』中国語ネット版も、馬暁紅に関する興味深い報道を行っている。かつて馬が金正恩の叔父で金正恩に処刑された張成沢の友人だったが、張粛清後に莫大な損失を蒙ったというのだ。「この損失を取り返そうと、馬は北朝鮮政府の上層部との人脈に頼って方法を模索していた。このことが今回の密輸事件に関連しているのだろう」と関係者の話を報じている。
英メディアが報じた馬の「莫大な損失」と、香港メディアが報じた3000万ドルの借金との関係は不明だが、馬が金を取り戻そうと焦るあまりに、この危ない橋を渡った可能性がある。
これより前、韓国紙『中央日報』も馬が張成沢の恩恵のもとにずっと北朝鮮との貿易を行ってきたこと、2013年に張が処刑された後も馬は北朝鮮政府上層部との協力関係を維持しようとしてきたことを報じている。同紙は、北朝鮮軍部の上層部あるいは金正恩との関係を維持していた可能性を挙げている。
中国紙『南方週末』によれば、馬は1996年から北朝鮮との国境地帯で中継貿易を始めた。当時馬は遼寧省丹東市で一日10万トンの廃棄された鉄や鋼材を北朝鮮に輸送していた。2000年に鴻祥実業有限公司を設立し、当時北朝鮮国家国防委員会副主席だった張成沢ら多くの北朝鮮の役人と交遊関係を持つようになった。
アメリカ司法省は9月27日、鴻祥実業とCEOの馬暁紅ら4人の同社幹部を、北朝鮮への経済制裁項目に違反し、北朝鮮の会社のために一億ドル以上に上る資金洗浄を行ったとして起訴した。
アメリカ財務省も同日、鴻祥実業と関係責任者に対して経済制裁を発動し、海外における同社関連の資産を凍結すると発表した。
アメリカ財務省代理副長官のアダム・ズービン氏は米メディアに対し、鴻祥実業が「北朝鮮の核兵器開発の主な支援者」であり、北朝鮮光鮮銀行の代理を務めてきたと指摘し、さらに「(同社と同社社員が)アメリカと国連の制裁に違反し、特別な方法とアメリカの金融システムを通じて悪事を働いてきた」と述べた。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/09/30/a1289126.html(中国語)
(翻訳/白白)