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地溝油 中国で広がり続ける理由

2011年09月25日
 
【新唐人2011年9月25日付ニュース】「地溝油」の闇を追っていたある中国人記者が先日惨殺され、中国を揺るがしました。中国人は10回の食事のうち1回は地溝油を口にしている、といわれるほど蔓延している地溝油。その背景には、「特別提供食品」しか口にしない官僚らの無関心さがあると指摘されています。
 
河南洛陽テレビ局の記者、
李翔さんは9月18日の夜、帰宅途中に刃物で13ヶ所刺され死亡。20日、強盗殺人の容疑で2人が捕まりました。
 
今年30歳の李さんは、報道担当の記者。15日の最後のブログには、地溝油製造のアジトについて書かれており、事件は地溝油の闇と関連すると見られています。
 
「国境なき記者団」は「事件に驚いている」との声明を発表。地元の新聞「鄭州日報」も、この殺人は地溝油製造・販売と関連するだろうとの記事を載せました。
 
地溝油とは、下水管などから回収した残飯や廃棄物を加工し、色とにおいを取り除いた食用油。外観はサラダ油となんら変わりません。
 
研究によると、地溝油に含まれるキサントメグニンは、ヒ素の100倍の毒性があるという強い発がん性物質です。
 
中国の食用油問題に詳しい何東平教授は去年、中国で毎年、200万から300万トンもの地溝油が食卓に上っていると発言。食用油全体の1割に上ります。その後、これを否定したものの「圧力が大きい」とも漏らしました。
 
雑誌“百姓” 黄良天・元編集長:「圧力を受けたはずです。教授の発言は社会の安定に影響して、恐怖を招くとの口実で圧力を受けたのでしょう。教授の発言は自然で、撤回発言のほうが不自然です。圧力を与えたのは庶民ではないはず」
 
華農食品科学技術学院の王承明教授は、2009年中国では500万トンほどの地溝油が使われただろうとさえ発言。
 
経済学者の郎咸平(ろう かんぺい)氏も、地溝油業界の年間利益は15億から20億元に上ると推測しました。
 
最近、浙江省、山東省、河南省など、14の省にまたがる地溝油ネットワークが摘発されました。押収された地溝油は100トンを超え、主な容疑者だけで32人が逮捕されました。
 
たとえば「バイオエネルギー会社」を自称する会社が、バイオディーゼルの生産という名目で地溝油を購入。これを加工して、毎日数十トンを食用油として売っていました。レストランやホテル、屋台に売ったほか、業者を通じて市場に出回ったものもあります。
 
16日、新疆ウィグル自治区のウルムチ市でも、石鹸の原料として地溝油を販売していた加工工場が摘発されました。
 
地溝油の蔓延に対し、中国メディアも批判の声を強めます。中国国営系のニュースサイト「新華網」でさえ、地溝油製造・販売の各過程で、管轄部門の影がまったく見えないと嘆きました。
 
イギリスのフィナンシャルタイムズは20日付の記事で、中国の官僚はいわゆる「特別提供食品」を享受していると指摘。自分たちを有毒食品の中の安全な孤島にしたといいます。
 
中国国営系のニュースサイト「新華網」も16日、浙江省のオーガニック生産基地を紹介。一部政府部門へ特別に提供しているそうです。ただし、地元当局はこれを否定しました。
 
 
深セン市作家 朱健国さん:「国務院の多くの資料・文書が示すように、官僚らは数十年も特別提供品を食べてきました。各地方政府にはさまざまな特別提供品ルートがあります。だから富豪や政治家は食の安全問題に疎いのです。あと官業の癒着一旦手をつけたら、業界の友人に危害が及びます。メラミン事件も大手ばかりでした」
 
フィナンシャルタイムズはさらに、これまでと同じく、これほどまで有毒な食品が広がっていても、誰も責任を問われていないと指摘。食問題の闇は、中国社会のモラル崩壊や信頼感の喪失、公平な市場ルールの無視などを映し出したと結んでいます。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
 
-【禁闻】地沟油链责在体制-特供滋生毒食品.html
 
 

 

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